未確認歩行物体
東方香霖堂などが好きなケダモノの住処
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天気のようにままならぬもの


「もうヤダ。サイテー。ありえない!私、疲れました!」
「……ははぁ」

ある日の午後、僕は不満を嵐のようにぶちまける天狗の話を聞いていた。
藁半紙なるものが手に入ったから買う気は無いか、と尋ねた所にこれだ。
最初は単なる世間話の範疇だったはずなのに。

天気は良好。店内は大荒れ。所により苛立ちの風が吹くでしょう。
そんな天気予報を立てたところ的中率は150%だった。
これは、1回当たってもう一度当たるの意。

「とりあえず店内の品が壊れたら弁償してもらうので、そのつもりで」

そういって僕は換気のために窓を開ける。
爽やかな空気。今日が晴れでよかった。店内はそうでもないけれど。

「だって聞いてくださいよ!この前の異変でさんざん怒られたんですよ!?」
「さっきから聞いてるよ。さんざん山に進入されたというのはね」

どうして世の女性の話は繰り返しが多いのだろう、と霖之助はうんざりしていた。
話を順に整理していくと彼女の怒りは尤もであったので、納得はしたが。

「全ッ然わかってないです!」
「わかってるとも。君は悪くない。悪いのは勝手にやってきた連中だ」
「そうですよ!なのに椛のやつときたら……ううぅ」

これが人間の男相手ならまだ酒でも飲ませて黙らせるところだが
天狗となればそうはいかない。店中の酒など軽く飲み干されてしまうだろう。

「『あれ?最近は仕事熱心ですね』だなんて!だなんてー!」
「大変でしたね」
「見回りばっかりですよ……おかげさまで記事を書く時間が減る一方です」
「災難ですね」
「そういうわけで記事を書いてください」
「お断りしますね」

そういうが早い。店内に暴風雨の気配が立ち込めてきた。
手には物騒な扇を持ち、その表情には行き場の無い苛立ちが滲み出ている。
誤った選択をしたことを瞬時に判断した僕は、反射的に快諾していた。

「ホントですか?良かった。大丈夫!取材が3つくらいですから!」
「だがちょっと待って欲しい。僕にそのようなことをさせるのはあまりに早計ではないだろうか」
「あれ……全然問題無い気がしてきましたよ?不思議ですね」
「気のせいだから。それ」

泣いたカラスが何とやら。
僕は振り回されながら、いつの間にか記者もどきになってしまった。
おかしい話だ。最初は物を売りつける算段だったのに。


……これで後日、ムダに評判の良い記事が出来上がって天狗の機嫌が悪くなるのだ。
まったく、人付き合いに妖怪付き合いの、なんと難しいことよ。

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