未確認歩行物体
東方香霖堂などが好きなケダモノの住処
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さいなん3
「何とか追い返したが……」

この調子だとまだ別の(自称)客が現れかねない。
そう気づいた霖之助は急いで看板を探す。
もちろん、『本日休業』の板である。

「くっ、どうしてこういうときには見つからないんだ!」

焦れば焦るほどに探し物は出てこない。
その理を認識しているが故に、より一層の焦りが霖之助を包んだ。
そのうちに板を探す手間よりも雨戸でも閉めて出かけるが良かろうと
思いたち、行動に移そうと決めるのに、そう時間はかからない。
だが変な客が来て、さらに看板を探して、やっとわかることもあった。

「そういえば食事をとってなかったな…」

氷砂糖を舐めたので、腹の虫がにわかに騒ぎ出したのだ。



「おや店主殿、まだ日も高いのに店仕舞いか?」
「おや慧音殿、まだ日も高いのにここまで買出しかい?」

ばったり、という表現がまさにふさわしい出会いだった。
というか戸板を持つ手が緩んで、本当にばったり、という音が鳴った。

「今日は寺子屋の休みだ。毎日開いてるわけでもないのさ。それに」
「それに?」
「魔理沙がやってきて、お客が入らないから行ってやってくれと」
「里にまで下りていたのか」
「猪じゃあるまいし、その言い方はないだろう」
「猛進するあたりは近い物もある気がするんだけどね……」

は、と短く息を吐いて戸板を立てるのを妥協して、そのまま元の位置に戻す。
こうなれば魔理沙に嫌味の一つでも言うまでは、霖之助も店を開けておくつもりだった。

「…どうしたんだい?」

いらっしゃい、と一応言いながら扉を開けたものの、肝心の慧音が入ってこないので
霖之助は首をかしげていた。何か手落ちでもあったのかと思いたくなる程度には
慧音は常識人なのだ。

「ふふ。いや、何かおかしくてな。くく……い、いかん。ツボにはまった。あはははは」
「????」


散々笑われて、霖之助は何となく不満になりながらも、お茶をすすって空腹をごまかすのだった。
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