未確認歩行物体
東方香霖堂などが好きなケダモノの住処
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彼女の心、雨のち晴れ。



外は雨。曇天と降雨を、行ったり来たりする日。

魔法の森の中にある潰れない程度の店、香霖堂。
今日も今日とて、誰かがやってくる。

「いよう!こーりん、相変わらず辛気臭いな」
「ドアを乱暴に開けるな。行儀悪い」
「元気と言ってくれ。乙女はパワーだぜ」

濡れた濡れた、と言いながら、ばさりと帽子を脱ぐ魔理沙に霖之助は嫌そうな顔をした。

「おい、商品が濡れるだろ。拭くものを持ってくるからじっとしてろ」
「ん」
「雨の中で飛ぶことも無いだろうに」

霖之助が持ってきたタオルで魔理沙の顔を軽く拭いてから、それを手渡した。
魔理沙はそれをキャッチして、拭き出す。

「まったく、梅雨になる前から毎週のように雨が降るのは勘弁して欲しいぜ」
「毎週が毎日になるな」
「やってらんないぜ。だけど雨がないとキノコも育たないからなー」

霖之助は帽子の形が崩れないように、そのまま置物に引っ掛けてしまう。

「こーりん、商品が濡れてるんじゃないのか?」
「あとで拭けばいい。もっとも、この帽子の形が崩れてもいいなら喜んで放置するが」
「そのままにしておいてくれ」

静かに雨が降る。雨が降り続けて、湿度が上がっていく。

「この重い感じはイライラしてくるな」
「いい事を教えてやろう魔理沙。その八卦炉を使うんだ」
「店に風穴を開けるのか?」
「違う違う」

霖之助は八卦炉を手に取るとそれを起動して、店の中の空気を清浄しだした。

「おー、すげー」
「魔法を増幅して放つことばかりが八卦炉じゃないよ」
「なんか、涼しいな」

重たさが消えるが、実際には日が差してないので空気は冷えたままだ。
霖之助も長い袖で丁度良いと感じるのだから、魔理沙には答えるに違いなかった。
事実、ちょっ寒そうなのが行動のいたるところから感じられる。

「仕方が無い。茶でも淹れよう」
「お、気が利くな」
「風邪をひかれたらたまらないからな」
「風邪ひいたら看病してくれるから気にしないぜ」

お湯を沸かして、霖之助は2人分の茶を淹れる。
それを飲んでると、不意に霖之助は自分に加重がかかったことに気づいた。
魔理沙が背中を預けてきたのだ。

「ちょっと研究に行き詰った」
「そうか」
「雨が上がったらもう一度やってみるぜ」
「そうするといい。」
「……うん」

霖之助には魔理沙の表情は伺えない。
だが雨の中、彼女が店まで飛んできた理由がようやく判った気がした。

静かな時間が流れていった。
ただただ、静かな時間が流れていった。

やがて雨が上がると、そこにはいつもの霧雨魔理沙と
今日も今日とて営業している、香霖堂に、その店主がいた。

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