未確認歩行物体
東方香霖堂などが好きなケダモノの住処
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さいなん2
魔理沙が飛び出してから半刻が過ぎた頃、霖之助は店の外になにやら気配を感じた。
普段は人気のない場所なだけに、尚のことそれが気にかかって仕方がない。
最初こそ放っておいた霖之助だったが、いい加減に痺れを切らして店の外に出てみることにした。

「どちらさま……って、何で地面に霜が!」
「冬らしくていいでしょ?」
「よくないよ。燃料だってタダじゃないんだ」

そこに居たのは湖に生息してる妖精の中でも別格の存在であるチルノだった。
ついでに、いつもいっぱいいっぱいでバカであると専らの噂である。

「あたい知ってるよ。いっぱい冷やすと冷たい水でもあったかいって」
「他所でやっておくれ」

話してくれるのは霊夢と魔理沙なので、霖之助は半分しか信じないことにしている。
が、確かにそういわれても仕方がなさそうな雰囲気ではあった。
いい迷惑なのでそのまま扉を閉めようとする。こんな氷の精霊がそばに居ては寒くてたまらない。
そう、霖之助は躊躇なく閉めるつもりだったのだ。チルノの一言を聞くまでは。

「えっと、あたいはお客さん?」
「ああ、お客……なんだって?」

言った本人ですら理解してないあたりがバカと呼ばれる所以である。
だが言われた方はたまった物ではない。こうなると商売人としては無視が出来ないのだ。

「おきゃく……」
「……何か欲しいものでもあるのかい?」
「お……おかし?おもちゃ?」

質問に答えようとした努力が、出てきた単語に垣間見える。
チルノが答えたのは、全て『お』が付くものだった。
まあそれくらいならば、と霖之助は考える。

「君にピッタリのおかしがある。だけど、あげるんじゃなくて交換だね」
「それがおきゃく?」
「そういうことになる。魔理沙が何か言ってたのかい?」
「何だっけ。ここにくれば凍らせる以外にも楽しいことがあるぜーって」
「な、何だって!?」
「だけど扉の向こうは熱そうだから、あたいの氷で冷やそうと思ったの!」
「いや、それは色々とまずいから勘弁してくれ」
「ふふん、やっぱりあたいは最強ね!」

最終的に、チルノが凍らせていた季節外れの花の一輪と、交換して商売を成立させた。
正直なところ期待してなかった交換対象だったが、全く氷が溶ける気配がないあたり、
実は凄い物なのかもしれない。

子供の相手に少し疲れた霖之助は、ストーブで暖を取りながらながら本を読み始めた。
魔理沙に持っていかれる前に、読みきってしまわなければならないからだ。

「霜、消えないのか……」

キラキラ光る地面は見ているだけで寒くて、口の中で溶ける、氷砂糖。

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