未確認歩行物体
東方香霖堂などが好きなケダモノの住処
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ここまで至るきっかけは誰も知らず
リクエストに答えてみたシリーズ『幽香』
できれば甘く、とのことでしたが私が試みると、砂糖と塩を間違えた惨劇が。
そして勝手に霖之助と絡めてみる。そしておまけにリグルを出してみる。
やったらハイテンション。甘く思えてくれると大変嬉しいのですが……



///////////////////////



ある朝、起きたら、店の前が花畑になっていた。

「理解ができなかった。昨夜まで外は普通の地面だった筈だ。
裏口から飛び出して命をつなぐささやかな畑に走る。豊作だ。
豊作?意味がわからない。収穫までまだずいぶんと時期があるはずだ。
というか花畑になるという悪質きわまる悪戯の根拠が良くわからない。

――って、貴方の顔に書いてあるわよ」
「壮大な説明をどうもありがとう風見幽香くん。そこまで推測できるなら是非とも戻していただけると大変ありがたいのだが!精神衛生と!土壌に!良く!ないから!」

僕は犯人の風見幽香、自他共に認めるフラワーマスターに身振り手振りも交えて懇願した。
冗談じゃない。僕の静かで穏やかでつつましい生活に花畑は似合わない。
これでは色々と台無しになってしまう、と。

「大丈夫よ?土壌は改良しておいてたから」

二毛作だろうと三毛作だろうとバッチリね♪とウインクまでつけて返される。
その素敵な笑顔に僕の心臓はさっきから早鐘を打ち続けている。心労で。
僕の精神衛生というものは恐らく、というか明らかに全力で後回しにされたようだった。

「これじゃ客が寄り付かないよ。というか周囲の光景をごらん?明らかに浮いている」
「いつもお客は来ないじゃない。周囲の光景?ああん、ごめんなさい。鬱陶しい木々より、背の高いヒマワリよね!さっすがわかってるじゃない。ナイス提案よ!」
「元に戻せ」
「そうね、そうよね。黄色だけじゃ面白くないし、高さが足りないわよね。ねえ見てっ!せっかくだからプヤ・ライモンディもはやしてみたわ。高さ10m!壮大ねー」
「花が咲くのは100年後かい?というか世界最大と推定される高山植物を、こんな低地に持ってくるべきじゃないと思うんだが!」
「ねえ……私、貴方のためなら四季不問、年中無休で咲かせ続けたっていいわ……」

頬をほんのり桜色に染め、こちらを上目遣いで伺いながらとんでもない事を言ってのける。
一瞬ときめいた自分の中の『男』が許せない。理性で本能を克服せずして何が一人前か。
そう自分に言い聞かせてときめきは封殺する。心意を律さずして八卦は扱えない。
というか年中無休って。

「その気持ちはありがたく受け取るよ。気持ちだけ。だから、元に戻して!」
「そう?残念ね。気に入ってくれると思ったのに」
「ひまわりだけじゃなくて、全部ね」

そんな、と悲鳴をあげ、自分で自分を抱きしめるような格好を取る幽香。
はらはらと涙を流して力なく地面に膝をつく。

「酷い。私を弄んだのね!君と花畑で暮らせたらなぁ、って言ってた気がしたのに!」
「曖昧な記憶で僕の店の前を花畑に!?というか嘘泣きはもう少し上手にやりたまえ」
「そこで抱きしめるくらいできれば満点よ」
「戻せというに。畑以外」

ざわざわと蠢く草花が、いずこかへと姿を消していく。
恐るべしフラワーマスター。最強を自称するだけはある。
強いはずだ。彼女は自身の力で、自分自身の領域を創造できるのだから。

「で、どうしてこんなことをしたんだい」

ざぶざぶと井戸水で収穫した野菜を洗いながら僕は質問していた。
新鮮な夏野菜だ。きっと美味しいに違いない。

「貴方を困らせたかったから」
「どっちが酷いんだ?」

思わず野菜を投げつけてやろうと思ったが、投げつけたら野菜が報復してくるだろう。
アタック・オブ・ザ・キラーキューカンバー。三文芝居もいいところだ。

「まあいい。朝食をとるから帰ってくれ」
「あら、一緒に食べてくれないの?」
「一人分しか収穫してないんでね」
「活きのいい妖怪を緊縛して食卓の上に置いておいたんだけど……可哀想なリグル」
「開放しなさい。今すぐ。ナウ。」
「開放してほしければ食卓を共にするのです。要求が受け入れられない場合……」
「わかった受け入れよう」
「食卓の上の彼女の衣服を――あら嬉しい。朝食に誘ってくれるのね♪」

衣服をどうするのか想像に難しくはないが、聞きたくもない。
そんなところを某天狗に抑えられたら店は巫女や魔法使いにより破壊され僕は死亡。
三途の川を死神にエスコートされて裁判でとりあえず有罪にされるのは間違いない。

「あ、あの、私、私は……」
「ああ君も不幸だったね。怖い思いをさせてすまなかった」
「『誰にも喋られたくなければ僕の言うとおりにするんだ』そういって霖之助は……」
「君は何をワケのわからないことを言ってるんだ?はい、もう大丈夫。気をつけてお帰り」
「何よ、つれないわねえ」

その後、自分が転生して店を経営。妖しい隙間産業のやりて女性経営者の助けを得る。
だがやがて略奪にあって利益が赤字に転落したあたりで妄想を中止。
しかたがないので僕は現実と闘うことにした。

「……食べたら帰るんだよ」
「はいはい……あ、ご飯よそってあげるわ。発芽させた玄米、混ぜておいたから」
「させるな!混ぜるな!」
「意外といけるわよ。ほら、あーん」
「む…………なっ、普通に食べられるだと!」
「ふふん。まだまだ無知ね」



先生……静かな暮らしが、したいです……
だが脳内の霧雨師匠は在りし日の姿で『諦めろ』と冷たい一言を浴びせてきた。

これで花畑もそのままだというのだから酷い話なのだが
魔理沙がマスタースパークでなぎ払ってくれた。ありがたいありがたい。



end
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