未確認歩行物体
東方香霖堂などが好きなケダモノの住処
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全力で空回り

「妖夢、お使いへ行ってきてちょうだい」
お饅頭をぱくりと口にほおばりながら、幽々子様そう言った。
「はい。どちらまで?菓子屋ですか?お茶はまだありますし、今晩のおかずは希望通り鶏ですよ」
「いいわね。行ってもらうのは香霖堂よ。覚えてるでしょ?」
「え~っ」
「イヤなの?ダメよ、そんなんじゃ。はい、この手紙を店主に渡してね」
「う……」


かくて手紙をひっさげて、妖夢は香霖堂へといった。
雪も消えて、いつか重労働させられた記憶はあまり思い出さずに済んだらしい。

「落ち着け……ここは自らの迷いを断ち切って依頼を完遂する!」

迷いを断つべく白楼剣を抜き放ち、扉を開け放つ妖夢。
深呼吸しても息は静まらない。ならば一気に押し切るのみだと、彼女の挙動が物語る。

「たのもう!」

息を荒げながら刀を抜き、片方の手で扉を押し開け、店内に踊りこむ。
店主は妖夢の来店に気づくが片手に湯のみ、片手に書物を持って座っていた。
一瞬で間合いをつめ、懐から手紙を抜き放って突きつけた。

「!」

対する霖之助は飛び込んできた侵入者に対して、咄嗟に飲んでいたお茶をかける。
中身はぬるく三番煎じだが、それでも妖夢は一瞬視界が奪われてうずくまった。

「へぁ、目が、目が!!あつ……くない、ぬるい……うぅー……手紙…」
「……いらっしゃい。いま手拭を持ってくるからじっとしてくれたまえ」

霖之助は手紙を受け取り自分の服でひっかかったお茶を手早く拭き取る。
続いて、急ぎ立ち上がると手早く手拭を持ってきて妖夢に手渡した。

「ほら、これで拭くといい」
「う~……ひどい……どうしてこんなことするんですか……」
「そのセリフは君にそのまま返しておこう。強盗かと思ったよ」
「う、うぅぅ……ぐすっ」

泣きたいのはこちらだ、という顔で霖之助は手紙を読んだ。
その中身は単なる注文の手紙だったのだが、彼にとっての問題はその配達人だ。
半泣きで顔や髪の毛を拭いている。隣に浮かぶ半霊はどこか居心地が悪そうだ。

「とりあえず着替えを用意するからそれに着替えるといい。洗わないとシミになる」
「そっちがやったんじゃないですかぁ……」
「先に突っ込んできたのは君だ、が、そのまま返すとこっちが悪者になるからね」
「う……はい……」
「じゃあさっさと脱ぐんだね」
「ううぅ、すぐ帰るつもりだったのに……」

その後に魔理沙や霊夢がやってきて一騒動するのだが……
霖之助は半霊と、そ知らぬ顔でお茶を飲んでいた。

もちろん、こんどは熱くて暖かい奴を。



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