未確認歩行物体
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お守りさまは蛙様で...01

地下へ行ってきた話しをしよう。
別にどうってこともない、地下に行って、温泉に入った話を。

世間では巨人が出ただの宝船が空を飛ぶだの言われているが、
僕にとってみれば、さして関係もない。
ああいった異変の類は、魔法使いや巫女あたりが首を突っ込むだろう。

……さて、そもそも僕が地下に行こうとした原因は
外の書物の影響によるものだ。

『源泉かけながし』

単純な言葉だが、随分と心惹かれたのを今でも覚えている。
地下の間欠泉騒ぎ以来、温泉というのは酷く魅力的に映ったのだ。
沸かす手間も要らず、こんこんと湧く偉大なるエネルギー。
暗闇の中で灯りに誘われる虫の気持ちというのは、こういうものかもしれない。

ふと、それはある種の信仰のようなものであるのかもしれない、と考えた。
あえて大きな文字で書いてある以上、強い意味を持たせたいことは明らかだ。
人々が『源泉』を求めて温泉へと向かっている、という煽りを強調したい。

――まるで熱心な布教。
そういう仮説を立てると、個人的に温泉に入りたいという欲求とあいまって
僕としても、検証してみたくなってきた。理由はいくらでもある。
問題は、源泉の位置を考えると場所が地下になるということだ。

地下は単純に危ないが、幻想郷で温泉の湧いている地下となると
危ない、という言葉に別の意味合いが含まれてくることになる。
なにせ地下は「地上にはいられなかった者」たちが住み着いているのだ。
男一人とはいえ手ぶらで出かけるには、あまりにも物騒すぎる場所だ。

さてそうなると何事にも先達は欲しくなるもの。
書物を読むと『日帰り』という言葉が何箇所か踊っていることからも
やはり時間を割いて行くという点にはリスクを感じる人々が多いのだろう。
つまり『源泉かけながし』は出発から帰還までに要する時間の短い方がいい
ということだろう。

危険について考えると、地下が持つ性質上、地上と違い
いつ出かけても変わらない危険がある、という妙な安定感がある。
つまり、こちらの都合で出かけても問題は変動しない、ということだ。

僕はこの時点で、地下への入り口までの危険を考えて、早朝に発つ事にした。
計画というものは立てている時が一番楽しい、と何かの本に書いてあったが
まったくもって同感である。


かくして、僕は温泉に入るためだけに、早朝に地下への入り口に立っていた。
来て早々に後悔していたが、今更引き返す道理もないので進むしかない。
万が一何かあったときは、あの神様曰く『お守り』という、この蛙が
何とかしてくれるものだろうか?
生憎と蛙が答えてくれるわけではないので、その場が来なければわからない。
用途とやらも、生き物相手では上手く働かず首を傾げるばかりだ。

「まぁそう言わないで」と言いたげに、蛙が鳴いた。
どこかあの小さな神様を思い出させるその鳴き声に後を押されるように
僕は地下へと踏み出す。


(つづく)
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