未確認歩行物体
東方香霖堂などが好きなケダモノの住処
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お客様は神様で...(前?)
何やら無駄に収集が付かなくなってきたために続いてしまった最近のリクエストです。
とりあえず書き溜めずに勢いで書いては掲載して以降と思った所存。
レティは……ネタが浮かんだら消化します……あとリクは何があったろうorz


ある晴れた日。昼下がりでもなければ市場へ続く道を歩くわけでもなく、僕は店内にいる。
森の中を抜けてくる涼しい風の中に含まれる湿気が増えてきたのを感じる。
そろそろ梅雨がやってくることの現われなのか、単に雨が降ったからなのかは判らない。
ただ確かなのは、晴れていようが雨が降ろうが本を読むのにうってつけの日だということだ。

多くのモノが幻想入りしてくる中にあっても本はとりわけ僕の好きなものだ。
知識を授け、僕が想像する余地を残すままに広い世界を示してくれる。
だが、楽しいことは続かない。物事には始まりがあれば終わりがある。

「霖之助さーん」

かくあるべし。誰かと思い本から視線を上げれば、案の定、霊夢が入ってきた所だった。
何も言わず店の奥にある棚まで進むと、躊躇わずに丸い缶を手に取り、いい笑顔でこう言い放つ。

「そういうことだから、借りていくわね」
「どういうことだから略奪していくんだい」

さっぱりわからない、と付け足して缶を取り返す。抗議の声は無視。
この缶は偶然流れ着いた入れ物で、密閉性が高いので重宝しているものだ。
元より茶葉を保管するための缶なので、まさに道具が本来の用途で使われている。
美しいことだ、と僕は思う。何事であれ単純なことは心地よいものだ。そればかりでは飽きるのだが。

「もー、ケチねぇ。ちょっと借りていくだけなのに」
「とにかく……この茶葉を持っていくなら、こっちの方を持っていくんだ」

そういいながら一番どうでもいい茶葉を勧める。
毎度毎度、どうして彼女が一番良さそうな茶葉を持っていくのかは判らない。
巫女というものは案外そういう能力を持っているのかもしれないが、こちらとしてはいい迷惑だ。

「じゃあこっちを借りるわね。仕方ないわ」

2番目にいい茶葉に手をかける霊夢を見て、自分の推測は間違いないような気がしてくる。
値段の多寡ではない。状態、味、気温、その他もろもろの条件を考慮して、最適なのを選んでいくのだ。
断じて僕の店はお茶屋ではないが、それでも自分の趣味もあり、いくつかの種類の茶葉はおいてある。
その中から、その時を見計らったかのように持っていく。たいした嗅覚……いや、才覚だ。

「やれやれ……まぁ何か折を見てお返しを要求するとしよう」

そんなことをぼやきながら、別の用事は無いのかと尋ねる。
別に期待して言っているわけではない。ただ、これだけで用は済んだ、とされるのが口惜しいだけだ。
景気はどうだい?と尋ねるのと何ら代わりのない内容である。
顔を見ながらじっくりとするような話でもないので、僕は読みかけの本へと目を戻した。

「無いわねー……と、言いたい所だけど、今日は珍しいお客がいるのよね」

客、と言われて僕は顔を上げる。他にそんな人物がいただろうか。
すわ、すっかり霊夢に気をとられてしまったか、と周辺を見回すが人影はない。

「姿が見えないようだけど?」
「外にいるわよ。なんか気になるけど近寄りがたい、らしいんだけど。いちおう連れてきてあげたわ。感謝してよね」
「何が何やら……」

開け放たれたままの扉から顔を出して左右を見ると、なるほど1人の少女がいた。
妙な帽子が目に付く。雰囲気は只者ではないが、ただの少女がわざわざここに来るとは思えない。
つまりただものではないのだろうが、一々探るときりがないので無難な対応をしておく。

「どうも。何か気になるものがあるのでしたら、お気軽にどうぞ?見学は歓迎ですから」
「……あー。うん。持ち主だ。水の気があるけど……うん?」

こちらを見て何やら一人で納得しているようなので一度中に引っ込み、霊夢の略奪を阻止する。
少し目を離すとこうなるのが彼女や魔理沙の行動だ。こう、経済概念以前に何かが足りていない気がする。
もっともお互い様の関係が成立しているため、あまり口酸っぱくいうのもよくないというのがあるが。

「その缶は置いてもらうとして……彼女、何者だい?」
「巫女の私がわざわざ連れてくるんだから、それなりの存在よ」

少し考えて、合点がいく。彼女は巫女だ。

「なるほど、そういえばとある商人の心得の一つに、そんな言葉があったな」
「どういうこと?」
「曰く、お客様は神様です、というものらしい」
「じゃあ私も神様なのかしら」
「僕にとっては客だよ……さて、彼女を店に招き入れるか」
「じゃあ帰るわね」
「巫女がそれでいいと思うのかい?」
「思ってますが。じゃあお先にー」

神が来るとは、いよいよもって偉いことになった。
あれやらこれやらに目を付けられなければいい。そう願わずには、いられない。
そういえばこの前も(続く)

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