未確認歩行物体
東方香霖堂などが好きなケダモノの住処
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風邪引き
あけましておめでとうございます。なんだかんだと言いながら1年続いて何よりです。
これからも、細々と運営していく予定の未確認歩行物体をよろしくお願いします。

…と、いうわけで今年は魔理沙ネタです。拍手のリクとは程遠いのが泣けてきますが
それでも久しぶりに筆が進んだ気がします。空気感とか色々台無しですけどね!

[read more]から本文です







「うーわ、頭、痛ぁ…まずったな」

朝起きると、いつものように身体を起こして思いつくままに行動をする。
それが霧雨魔理沙の基本的な行動指針だったのだけど、どうやら今朝は身体が思い通りにならない。
頭が痛かった。熱が出ていた。身体が動かなかった。声も満足に出なかった。

つまり彼女は、風邪だった。

魔理沙は己の体調管理の甘さを恥じていた。
今日は香霖堂に出向く約束をしていたからだ。
行くと言ったからには行かなければ気がすまないのが彼女という人間であったが、
残念ながらどう頑張っても満足に家を出ることすら叶いそうに無かった。
孤独と痛みで泣けてきたが、誰一人として助けに来てくれるわけでもない。
仕方がないのでこういうときのための薬を飲むと、ひとまず横になった。



「こないな」

ところ変わって香霖堂。
店主の森近霖之助は、来ると言っていた1人の少女が来ないことを不思議に思っていた。
予告無しに来ることはいつものことなので良いとして、その逆は彼女らしからぬことだ、と彼は思った。

待てども待てども来ない待ち人。来ると言っていたのに来ないとは何事だというのか。

店主は半刻ほど思案して、店のドアに『本日休業』の看板を下げて、彼女の元へ手ぶらで出かけた。
どうせ趣味でやっている店だし客は満足に来ない。持っていかれた本だって回収しなくてはならない。
別に誰かに尋ねられたわけでもないのにそんなことを考えて自分の行動を正当化しながら、
森近霖之助は自分自身を納得させながら、足早に霧雨魔理沙邸まで向かうのであった。


症状は、3歩進んで2歩下がるような状況を見せていた。
薬が効けば痛みは和らいだが、薬の効果が切れれば再び痛みと熱が彼女を襲った。
冷静に考えるならば手っ取り早く医者にでもかかるのが適当なのだろうが、
そんな医者に行けるほどの元気があるなら医者にかかる必要なく治るぜ、と痛む頭で毒づいた。

色々なネガティヴな思考が、ぐるぐる回っては意識の外に落下していく。
果たせなかった約束。健康管理を怠った自身への苛立ち。改善しない健康。会いたくない店主。
ここで一回りして振り出しに戻る。そのうち考えるのも嫌になって泣けてくる。
あと何回これを繰り返せば、この寝床を抜け出していつもどおりに戻れるのか。
うんざりしながら浅い眠りについていった。

ノックノック。

ドアをたたいても返事がないので戸を押すと、すんなりと開いて霖之助は首をかしげる。
部屋の内部は物取りにあったかのような惨状であったが
彼女曰く『計算された空間』らしいので深くは考えないようにした。

「魔理沙」
「帰れ」
呼んでみると、かすれた声で返事があった。
いつもなら一言か二言は捻くれた言葉がついてくるのだが、今日はどうやら違うらしい。
そう思った霖之助は、彼女の言うことを無視して寝所の扉を開けることにした。

「つまり、いるんだね。姿を見せないから文句のひとつでも言いに来たんだが、どうしたんだい?」
「見てわからないなら聞かせてやるけど、風邪なんだぜ。悪いなこーりん…約束はまた別の日だ」
「顔色といい声の調子といい、なるほどそうした方がよさそうだ。今の君に必要なのは、医者と薬だろうしね」

魔理沙は一番会いたくない人間の声を聞いて、霖之助とは逆方向を向いていた。
一番会いたくなかったけど、誰かの声を聞いて安心してしまった自分もいた。

「帰れよホント。風邪がうつっても知らないぜ」
「病気には強いんだ。見くびってくれるなよ」
「こーりん相手に遠慮するとは、本当に今回は風邪が酷い……ぜ」
「そうらしい」

魔理沙のおでこに乗せられた、ごつごつしながらもひんやりとした手。
なんともえない安らぎを覚えながら、今度は安心して眠れそうな気がしたのだった。

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