未確認歩行物体
東方香霖堂などが好きなケダモノの住処
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ある秋の日の光景

秋という季節を過ごす方法は色々とある。
夏の名残が失せて、秋らしい秋となった時期、鮮やかな色が山を彩っていた。
「いい色になった」
僕が紅葉に心奪われるのは、その先に訪れるものを見越してのことかもしれない。
終わりの気配。ここより先にあるのは、命果てて枯れ葉となり舞い落ちていくことだけ。
それはこの瞬間も静かに、だが確実に起こっていることを足元に積もった落ち葉が教えてくれる。

「いよう、こーりん。どうした落ち葉を見ながら辛気臭い顔をして」
などと考えていたら魔理沙が遊びに来ていた。荷物の中身は食材か何かだろう。
「やあ魔理沙。ちょっと考え事をね」
僕の中ではいい感じだったのに、辛気臭いなどと言われては立つ瀬が無い。
あんまりだ。
「どうせまた誰かに掃除をやらせる方法なんかを考えてたんだろ?」
「おい、それじゃまるで僕が悪人だ」
「困った女の子に雪かきをさせたのを忘れたのか?ひどいヤツだぜ。」
まったく、あんまりだ。

「ところでこーりん。この落ち葉を有効活用するいい案がある」
「栞でも作るのかい」
「こんなにたくさん挟んだら、本が落ち葉だらけになるじゃないか」
魔理沙は荷物を包んでいた風呂敷をほどいて、中身を見せてくれた。
芋だ。
「焼き芋か」
「焼き芋だぜ」
というわけで手伝え、というのが魔理沙の案らしい。
まったく、色気より食い気が勝るのは魔理沙だから仕方ないとしても
僕の顔を見るなり辛気臭いなどと言ってくるのは不満だ。ここは仕返しに何か意地の悪いことでも
「半々でどうだ。というか正直、貰いすぎて1人じゃ飽きる」
「よし準備しよう。魔理沙は適当に落ち葉を集めておいてくれ。僕はこれを洗ってくる」
言おうと思った僕は、どこかに消えた。今。

「焼き芋はどうして焚き火だと甘くなるんだろうな?」
焼けていく落ち葉と芋を見ながら、ぼんやりと魔理沙はそう言ってきた。
言われてみれば奇妙な話だ。直接焼けば炭になるか、味も素っ気もなくなってしまう。
「落ち葉というのは、いわば命が尽きた木だ。それに火を加えて灰にすることで
 土へ戻る流れが生まれる。これは五行相生に適っているんだ。それと関係があるかもしれないな」
「五行ってことは……霊夢なら焚き火しなくても芋を甘くできるのか?」
「自然の中にある流れに沿っていけば、僕たちはその恵みを享受できるかもしれないということさ」
他愛も無い話をしている僕らが得られる恵み。
それはたとえば、美味しい焼き芋だったりするのだろう。

「美味いな」
「ああ」
これもまた、秋の日の過ごし方なんだろう。

テーマ:自作小説(二次創作) - ジャンル:小説・文学

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