未確認歩行物体
東方香霖堂などが好きなケダモノの住処
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

なう
ツイッターなるものを登録するだけしてみたけど何をつぶやくというのだろうか。
どう見てもフォロー用な気がします。

さて、東方香霖堂 ~ Curiosities of Lotus Asia.の発売日が何か残念な気配がありますね。
あるいは一番最初に書籍として世の中に出てきたかもしれないのに、こういう形になるとは。
こればかりは幻想入りされても困るので、本屋に並ぶ日を望むばかりです。
何かできることは無いんだろうか……


さて、頑張って書いたりダブルクロス3rdのGMしたりしてきます。


ところで誰か、目次ページの上手い作り方を存じませんか。
絶えずトップにくる記事の作り方というか。
スポンサーサイト
お守りさまは蛙様で...05
ぺとり、と何かが顔に張り付いた。顔の上を動き回って、むずむずする。
触れてみると、ひんやりと冷たく、そして……動いている!
「うおわっ!?」
ぼやけた視界に、物体Xがジャンプしている光景が飛び込んできた。
眼鏡をかけてしばらく待つと、ようやくそれがカエルであることが認識できる。
「起こしてくれたのかい?どうもありがとう」
カエル相手に皮肉を言っても通じないことは承知している。最悪の寝覚めだ。

雨がやんでいた事に気がついたのは、目が覚めてからだった。
鬼の酒に付き合わされて酔いつぶれた――もとい、酔いつぶされた結果だ。
日帰りできることには期待していなかったが、このような形になるとは不覚だと思う。
酒が残っていないのは酒そのものが良かったからなのか、早々につぶれたからか。
「お、起きたね。鬼を前にして堂々と寝る度胸、気に入ったよ」
目の前に居る鬼は、迎え酒と称してさらに飲んで、けろりとしていた。
起きて早々信じられないものを見た気分だ。

「朝餉(あさげ)なんて気の利いたものは無いからね」
「おかまいなく」

お世辞にも快適な寝床とは言いがたい場所であったが、火が焚かれていたお陰で
寒さに凍えて目が覚める、というような事は無かった。
雨に濡れた荷物は一通り乾いていたし、寝てしまえば幾らか体力も戻る。
体調が整えば、周囲を見回して状況を整理する余裕もできるというものだ。
まったく、温泉めぐりなんてものはするものではないと感じる。

「そういや温泉に行きたいんだっけ?間欠泉ナントカって場所があるから、
 通りを抜けて、そこに行けばいいんじゃないかな。」
寝起きの体を捻ると、ボキボキと小気味の良い音が全身に響いた。
「それは良い事を聞いた。無事に温泉に入った後で上に戻れたら感謝しますよ」
「感謝よりも形が良いねえ。酒とかさ!」
苦笑いとも愛想笑いともつかない笑顔で返事をして、荷物を背負う。
僕はこの先にあるという、その間欠泉ナントカをを目指すことにした。

この土地においては人里とは勝手が随分違うものだから、案内板などという
気のきいたモノなど期待できようはずもないと思っていた。
だが歩いていくと地下の奥の方に大きな建物があり、あんがい開けている。
間欠泉というのだからお湯やら煙やらが出ていると思ったのだが
どうにもそういうことではないらしいようだ。
通りにいる黒猫がこちらをみて、鳴いたような気がした。
軽く不吉だなと思いながらも歩を進めると、やがて不思議な建物がみえてくる。
ここが間欠泉の建物なのだろうか?確かに暖かいし、人の手が入っているようだ。

「しかし、誰もいないとはどういう事だ?営業時間が終っているのだろうか…」
カエルも一緒に鳴いているが、声がむなしく響くだけだ。
微かに暖かい風が頬をなでるようにして外に吹いている。
その温度だけが、どこかに熱源があることを証明しているようだった。
この熱源を辿れば目当ての場所にたどり着けるという推測を立てた僕は
風の流れてくるらしき方向に歩いていく。見えるのは、中庭だ。

「どちらさま?」

フリップフロップ、と足音がするので振り返ると少女が一人立っていた。
赤みがかかった紫色の髪と、不思議な装身具を身に纏いどこか眠たげな目。
装身具にある瞳と対照的であるが、どこか遠く深い場所を見ている用に見える。

「ああ、すいません。温泉に入りに来たんですが間欠泉の場所を伺おうかと」
「単に源泉かけながしを目当てに来た割にはここがどこだか知らないようね?
 地霊殿の管理するのは旧地獄。ここは本来、死後の世界だというのに。」

いきなりの刺々しい口調にはいささか面食らってしまった。
だがここが死者の国だという割には、それらしい何かを見かけた記憶は無い。
生きながらにして死者の国に来るなんていうことは滅多にできることではない。

「『これは面白い事になった』ですって?貴方は少し地底を甘く見すぎている。
 自己紹介が遅れましたね。私はさとり。この地霊殿の主です。
 私には一切隠し事は出来ません。私には貴方の心が丸見えなのです」」

そういえば、そんな妖怪がいると知っていたような気がするし、知らなかった気もする。
とにかく心が丸見えだというのなら話が早いので、どうすればいいのかご教授願いたい。
「喋ることをサボらないでください」
冷ややかな視線があびせかけられる。
「……失礼。いや、本当に温泉目当てで来ただけなのですが」
「呆れた……よく無事に来れたものですね。『意外と何もなかった』ですって?
 貴方、自分の幸運にでも感謝したほうがいいと思いますよ。
 温泉は中庭から行ける間欠泉センターにでも行けば入れますので、そこからどうぞ」
「おや、いいのかい?」
「ここまで来て何もないというのも気の毒ですし、まだ話せる方みたいですからね。
 終ったらペットに出口まで案内させますから、そこから帰るといいですよ。来た道は危ない」
「ご親切にどうも」

そんな道を通ってきたか?と振り返るが、確かに歩いて戻るとなれば一苦労だ。
素直に申し入れを受けることにして、僕はそのまま更に地下にあるらしい間欠泉センターまで歩いていく。
こういうとき、空を飛べることがどれだけ素晴らしいのかに思いを馳せる。
とはいえ、飛びたいから飛べるようには世界は出来ていないのだけど。

「お風呂に入りたいのか空を飛びたいのか、どちらかにしてください」
「隠しても無駄らしいので素直に言うと、どちらもだ。あとは店にある謎の式がだね……」
「……はぁ」


つづく
[READ MORE...]
お守りさまは蛙様で...04
僕は今、商店街を歩いている。
もっと正確に言うならば、かつて商店街だったであろう、瓦礫の通りを。
息を吸うたびに、そのかび臭い空気が僕の肺腑を満たしてくれる。

僕は見えるはずの無い空を見上げて、少なくとも地下で雨の心配は無いかな、と思った。
別に『霧雨の剣』を持ってきているわけでもないし、連れの豆蛙も鳴いている気配は無い。
だが、そんな僕を見透かして笑うかのように、この蛙は鳴き始めたかと思うと、
たちまち面倒くさくなるような小雨が全身をしっとりと濡らしてくれる。

雨宿りに走る気力なんて起こらなかった。いや、迂闊に走ることは足場が許さない。
所々にある瓦礫により、うっかりすると足をとられて転んでしまうだろう。
僕はそうならないためにも濡れている足元を慎重に確かめながら歩かねばならなかった。
とんだ歓迎だ、と吐き捨てるように言いながら歩き続ける。
今更引き返すには進みすぎているし、あの灯りまで行けば一息もつけるだろう。
そう信じて歩き続けると、やがて無数の妖精や精霊の類が飛び交う場所までやって来た。

おつかれ、と言わんばかりにケロリロと鳴くカエルを放り投げてやろうと思ったが
雨で濡れた服に疲れた身体では一挙手一投足も満足にいかない。
それでも八つ当たり気味に前の方にカエル放り投げると、
いつの間にか立っていた人影にカエルが張り付いていた。

「ご挨拶だね。こんな雨の中で歩いてるから見に来たってのに」
「……申し訳ない。疲れた挙句、地下なのに雨に降られたものだから」
「あん?まぁ昨日から天気が悪かったから雨が降るのは当然だね。まぁ明日は晴れるさ」
「明日ハレの日、ケの昨日……か。温泉に入りに来たんですが、後悔してた所ですよ」

雨の中だというのに杯を片手に立ってる女には何の期待もしていなかったが、
カエルの一件は完全に非があるので、素直に謝罪しておいた。
酒の御業もあってか、さほど気にしていない様子なのは救いだ。

「ははぁ、間欠泉の一件かい。普通の人間だったら来ようとも思わないはずさ。
 だけどそれ目当てにやってくるのってのは、勇者なのか……愚か者か……
 はて、こんなやりとりを少し前にやった気がするね」
「? そうかい。僕はしがない商人だね。愚か者と言われると返す言葉も無い」
「正直ってのは良い事さ。気に入った!愉しませてあげるから駄目になるまでついてきなよ!」
「この状況じゃ是非も無い。雨宿りできそうな軒先でいいから教えていただきたいね」

なんだ、意外と話せる相手じゃないか。地下を目指すのが気狂いだと言われたが
中には少なからずマトモな相手もいるらしい。それが判っただけでも儲けものだ。
そう考えていると、カエルが僕の体を懸命によじ登ってきているが無視しておく。

薄暗い道を案内された先にあったのは、粗末ながらも生活が感じられる場所だった。
囲炉裏があり、家具があり、寝床があり、何より屋根と壁があった。

「どうせ今から間欠泉に向かったところで、服が濡れてちゃ台無しさ。
 地霊殿の連中も門を閉ざして出てくることも無いだろう。
 乾くまでは適当に酒でも飲んでやり過ごすに限る。身体も冷えたろう?
 丁度一人で飲んでるのも飽きてきたところさ。さぁ飲め。やれ飲め。あと、脱げ」

ゲコココ、と下世話な笑い声のごとき泣き声が頭上からする。
濡れた上着を脱いで、適当に囲炉裏のそばに広げておいた。

「……恐れ入ります。ところでお名前は」
「ん?山の四天王の一人、星熊勇儀さ。まぁ今となっちゃ地底の住人さね」
「森近霖之助と申します。普段は店を構えてるんで、す、が……」


落ち着いて向かい合うと、灯りに照らされた彼女には鋭い角飾りのようなものがある。
まるで鬼だ。というか、鬼そのものだ。なんということだ。
とはいえ逃げ出そうにも荷物を降ろしたので、今更どうにもできない。
僕はとりあえず、差し出された杯を飲み干して、ご好意に甘えることにした。
いっそ記憶がなくなってしまえば清清しいというものだ。
そんな僕を笑うかのようにさらにカエルが鳴くものだから
僕はカエルも濡れた上着の上に放り投げた。

「そういや少し前の間欠泉騒ぎだけどね――」

相手の話に相槌を打ちながら、肴もないまま酒を飲む。

外では、まだ雨の音がしていた。


つづく
[READ MORE...]


プロフィール

ぽんこつたぬき

Author:ぽんこつたぬき
春が来たら冬眠から覚める獣。
リンク、転載は許可無しでも可。

小説っぽい何かが読みたい人は
東方タグを押すと楽です。

twitter -> ponkotsutanuki



最近の記事



最近のトラックバック



月別アーカイブ



カテゴリー



ありがたい来客者



ブログ内検索



RSSフィード



素晴らしいリンク先

このブログをリンクに追加する



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる





上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。