未確認歩行物体
東方香霖堂などが好きなケダモノの住処
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宣伝とか告知とか
つまるところ大変でもなかった試験期間が終わったわけであります。ハイ。
また細々と更新していこうかな、とおもったら2万hit超えててあら大変。
また何かリクエスト受け付けようかしらと思った次第ですが
私のSSがワンパターンであることに賢明な皆様はそろそろ気付いている予感…。
どうしようかと思案中です。あ、リクエストは受け付けております。

あ、夏になったので夏毛に生え変わるが如くブログのデザインも変更してみました。
見づらい!とか気持ち悪い!とかtnksnといった批判は割と受け付けます。

H/K
(話は変わって、ってこう書く人間もいるらしいですね。たぬきの私にはビックリ)

人間の友人後輩がコミケのサークル出展を行うそうなので勝手に宣伝しとこうと思います。
お暇なかたは時間があれば寄っていただければ、これ幸い。

怒られたら土下座して詫びようと思います。

ひとつめ
「A's Maria」
土曜 東地区 ユ-32a

三国志大戦の呉メインであるギャグ本。
実は私も細々とプレイしております。自力で勝ったことがありません。


ふたつめ
「小麦」
土曜日“さ”ブロック05a

こちらは東方の同人サークルです。(残念ながらnot霖之助)
ひょっとしたら私も当日近辺で息を潜めている可能性があります。



もしお暇でしたら見ていただければ幸いであります。
「ぽんこつたぬき」と名前を出しても微妙な顔をされること請け合いですが。が。

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試験期間
試験期間につき更新絶賛停滞中。
うっかりしくじると化けの皮が剥がれて、たいそう具合が悪くなるのです。
いやあ、人間の世の中で生きていくのは大変だ。


>起きろ、魔理沙! なんか黒歴史になってるぞ!
けーねせんせいがたべてました。

>魔理沙かわいいよ魔理沙w でも夢の続きに落とし穴があって
> 好きだと言った後に「ツケを払ってくれたらもっと好きだが」とか言って
> 魔理沙をすごくガッカリさせる香霖を想像しm(マスタースパーク
こう、ビキビキッと怒りのマークを出してマスタースパーク打ち込みそうですね。
レスポンス0720
今日は熱かった…

何となく、また某所に作品を放り投げてくる。

以下拍手レス。

>早速ステキ過ぎますwそしてタイトルが某電撃文庫…成程、フラグブレイカーですね判ります
ありがとうございます。キャッチコピーとかタイトルって秀逸ですよね。ああいうの。

> 捕まっても動じない霖之助に萌えるwww そして、あれですね
> 彼女の糸を使って素敵な衣を繕って持ってくるわけですね、わかりm(スキマ
キャラの把握が出来ないので、続いても妄想全開の捏造だらけになる気がします。ふふ。


村上春樹風は無理
「なぁ、何も変わらないと思える幻想郷だって、少しずつ変わっていくんだぜ」
「確かに」と霖之助は言った。
「もっと簡単な話にすれば、同じ日は二度と来ない。」
「そうだね」
「花の命はけっこう短い」
「違いない」
「だったら、今のうちにわがまま聞いてくれてもいいよな」
「そうかもしれない」


「一緒にいてくれ。好きだこーりん」
僕もだ、と霖之助は魔理沙に答えた。




「うふ、うふふ……」

ここは魔法の森の、魔女の館。
住人にして館の主である霧雨魔理沙は、幸せな夢の中だった。

アレ
霖之助スレのほうに密かに作品を放り投げてみました。
アップローダーから流れ落ちたら、こちらにのせようと思います。


>全く霖之助はッ・・・新キャラもかッ!節操無しかッ! いいぞもっとYARE!!
最近、自分の中で土蜘蛛が萌えワードなのです。


>さっそく乙
さっそくやらせていただきましたァん


とある病の初期症状
地霊殿体験版で登場するヤマメさんの話。



あるところに一匹の土蜘蛛がおりました。
名前を黒谷ヤマメといいまして、洞窟の奥底だとか
元地獄の旧都だとか、そういう場所で過ごす妖怪です。

ヤマメは病気を操ります。ちょっとその気になれば誰かは熱を出しますし、
ちょっとその気になれば咳がとまらなくなったりします。

おかげさまで、ヤマメは誰からも嫌がられます。
話せば明るく楽しい妖怪なのですが、誰だって風邪はひきたくありません。
もっと怖い病気にかかるなんて、まっぴらごめんです。

そんなある日、ヤマメは洞窟の奥底から、少し浅い所に出ました。
というのも、氷か何かを探しに人間が奥底近くまでやってきたからです。

「それっ。つままえてやる」
「ひゃあ」

ヤマメはその糸で人間を捕まえようとしましたが、
人間だって捕まりたくはないので必死に逃げていきました。

ヤマメは人間を襲うことなんて普通のことだと思ってます。
どうしてそうなのかは、いちいち考えたりしません。


それからしばらくして、また別の男がやってきました。
さっきの人間がよこした応援か何かでしょうか?
とにかく、ヤマメはまた捕まえに行きます。

「こんどこそ!」
「そういわず、ちょっと待ちたまえ……うわっ。糸が」
「誰だろうと私の領域に入るのが悪いのさ」

男はあっさりと捕まってしまいました。
いざ捕まえてみると、どうやら半分は妖怪のようです。
だけど、ちっとも強そうじゃありませんし、肉や骨も硬そうです。
味はどうだかわかりませんが、おいしくはないでしょう。

「食べてもなあ」
「食べられるのは困るな」

捕まった男は、森近霖之助と名乗りました。
なんでも、道具を拾っては売るのを仕事にしているようなのです。

「そう、かんけいないね」
「そうでもないよ。君の糸は、たいしたものだ。そもそも虫が作る糸というものは――」

ヤマメはとりあえず、この口の達者な男を黙らせようと病気にしてみました。
熱にうなされて、口の回らなくなるような病気です。

「これはいったい何の真似だい?」
霖之助は、けろりとしています。

「むむ。それじゃあこれならどうだ」
あれこれ人間がかかりそうな病気になるように力をふるってみますが
霖之助はちっともこたえた様子はありません。

「半分くらい病気になったらどうなんだ」
「そういわれても」

霖之助は、よくわからないことばかり言ってくるので
そのうちヤマメの方が疲れてきました。

「つまり、いくらか君の糸を譲ってほしいんだよ」
「あーもー。好きにして……」
「それならさっそく……」
「ひゃっ」
「おっと、ごめんよ」

糸を巻き取る霖之助の手が触れて、ヤマメはドキドキしました。
食い殺してやろうかとも思いました、相手は病気に強いやつです。
うっかり食べたら、どんなことになるかわかったものではありません。

「また来るよ。対価を渡しにね」

あんまりこないで欲しいなあ、と思うヤマメでしたが
霖之助はそんなヤマメの反論を聞かずに、さっさと戻るのでありました。

ヤマメは、自分が思いのほか動揺していることがむかついて仕方がありません。

次の日、霖之助はお弁当をもってきて、また糸を持っていきました。
別の日も、そのまた別の日も、お弁当を持ってきては糸を持っていきました。
そのうちヤマメは、霖之助がどうして糸を集めるのか、すっかり気になってきました。

いちど気になると、ずっと考え込んでしまいます。
なにせ自分の糸なのです。気にならないわけがありません。
寝ても覚めても、心のどこかでいつも気にするようになりました。

ですが、こういうときに限って霖之助は中々やってきません。
ヤマメは何だか、どうしようもなくイライラしてきました。

まだ、彼女は気付いていなかったのです。
病気を操る能力を持つ自分が、別の病におかされつつあることに……

柴のいた日々
某スレッドで話題になり、チェねずみさんの絵の影響で書いた柴のお話。
パロディとオリジナル色が強いので東方カテゴリではなくネタカテゴリを新設し分離しました。







それは中途半端な暑さで、森を抜ける風が冷たい日のことだった。

「こんにちは」

風に吹かれて冷え切った所に、仕入れた道具を確認するためか
八雲紫がひやかしに現れた。

適当につかみ所のない話をして隙間に沈んでいき
気がついたら店の中は、仕入れた品の陳列の果て。
物盗りにあったか、獣が暴れたか、嵐か宴の後のよう。

そんな状況で、どこぞで見かけた帽子を被ったのが座敷に鎮座していたので

「――わん」

放り出すと後が怖いこともあり、結局、その犬を屋敷に置くことにした。





「おっす、こーり……犬?」
「ああ。柴犬のようだね」

翌日、犬を座敷や店に置いて粗相をされては叶わないと、店の前に繋いでおいた。
犬の体を洗うついでに、帽子も洗って乾しておいたのだが、気付けば犬は帽子を被っていた。
さすが八雲紫の隙間から出たと思われる犬だ、と感心したくなるほどに妖しく、そして賢い。

「なぁこーりん、この帽子って……」
「……持ち主が飼い主だとは思うんだが、何せ次にいつ来るのか判らない」
「で、置いておくのか」
「野に放つわけにもいくまいよ。それに…」

優秀な犬のようで、しつけはもちろん、芸もやってのける。
無駄に吠えるわけでもなく、何か邪魔をするわけでもない。
というか、新聞を咥えて持ってきてくれるので、むしろありがたい。

「それに?」
「優秀だ。それに可愛いとは思わないか?」
「……まあ、な」

複雑というか、微妙な表情をする魔理沙だが、僕の評価に反論は無かった。
昨夜仕入れた品の中で価値のありそうなのを吟味していた僕に
何者かの来訪を鳴き声で告げてくれたのは、ほかならぬこの柴犬なのだ。

「こいつ、名前は何ていうんだ?」
「さあ?飼い主じゃないんだから判らないね」
「八雲なにがし、とかいう名前の犬……何か強そうだぜ」
「飼い主が八雲紫ならそうなるね。しかし…柴犬でこれだ。いつかは優秀な式になるのだろう…」

よしよし、と頭を撫でる。犬は心地よさそうにされるがままであった。
最初はどうしたものかと扱いに困っていた魔理沙も、じきに慣れたようで
どうやら今日の関心は、店の品ではなく、この柴犬の方に向いたらしい。

「……おお、そうだ。いいこと思いついたぜこーりん」
「どうしたんだい?」

いい感じに犬と遊んで、毛と埃を服に付着させた魔理沙が店に入ってきた。

「こいつの名前、何か決めておこうぜ」
「ふむ……この柴犬の、か……八雲柴なんてどうだい」
「その心は?」
「飼い主と漢字が似ている」
「ぶははは」
「わんわん」
「おお、返事をしたぞ八雲柴。柴だって。あは、あははは。帽子が反則だぜ。ぎゃはははは」
「笑いすぎじゃないか……ふふふ」

いたく名前が気に入ったようで、魔理沙はしばらく笑い転げていた。
飼い主であろう八雲紫には悪いが、自分でもシャレとしては良い思う。



やがて何日かが過ぎていくと、僕にとって柴がいることが日常となった。
初めは緊張感とでもいうべき何かがあって、色々と気を使うこともあったが
今となっては程よい距離感の中で、互いが互いを助け合って生きていた。
朝は柴が起してくれる。柴と一緒にご飯を食べ、柴と一緒に一日を過ごす。
時折やってくる客の応対も、柴と僕の二人でした。
柴と一緒にいることで僕は僕に無いものを補うことができる。
柴は僕にとって、かけがえの無いものになりつつあった。

「ああ、今日も終わっていく……綺麗な夕日だね、柴。昼と夜の境界だよ」

僕が頭を撫でると、柴は僕に、そっと寄り添ってくれた。



「――こんにちは」

そんな日々もとうとう、八雲紫の出現により終わりを告げた。
わかっていたことだ、と僕は自分に言い聞かせ『飼い主は貴方か』と紫に尋ねた。

「え?え、ええ。まあ」

僕は頷いてそっと柴を抱擁し、名残を惜しみながら撫でた。

「寂しくなるな、君が帰るなんて……いつでも来てくれ。待っているよ」
「わん」
「ふふ、待ってるよ」

「え、ええ!?」
「済まない。貴方が迎えにくるまで預かっていたら、つい」
「別に気にしなくてもいいですわ。その、私の落ち度もありますし……」
「いえ、こちらこそ。もっと早く連絡できたら良かったのですが。
 ところで今日は、他に何かご用件は――」
「い、いえ……失礼します」

一瞬、八雲紫が何か動揺しているように見えた。
僕に気を使ってか、珍しく扉を使って去っていったからだろうか?
否。それは、僕の抱いた離別を惜しむ念による幻覚だろう。
柴は去る。それは最初から判っていたことだ。
だからこそ一緒にいた時間を大切にした。




さようなら。そしてありがとう。
八雲柴、君と一緒に過ごした日々は、手に入れがたいものだった。

レスポンス0712
チェねずみさんの所の柴が可愛すぎます。
おなじ獣として応援したい所存。


▼以下、拍手レス。
>霊霖いいですなぁ・・・霊夢が病みませんようn(夢想封印
病んでる霊夢?やだな。そんなのいるわけ無いじゃないですか
(過去ログの霊夢SSを封印しつつ)


>霊夢や魔理沙が自然に甘えられるひとだよなぁ 素敵な関係だ
こういうのは、付き合いの長い人の特権ですね。
理不尽系
あんまり霊夢を見かけないので、たまには。


博麗神社にて不覚にも食料が底をついてしまったのは、ある日のことだった。
暑さにやられ、食べることに対する意識というのがめっきり無くなっていたのだ。

「さすがに丸一日何も食べないと力が抜けるわね」

誰に話しかけるわけでもなく口にする。
こうやって独り言をいくら口にしても奇異の目で見られないというのは
神と対話するという役目を肩書きとして持つ巫女という職業の特権だろう。
もっとも、そんな特権が役立つ機会なんてのは元々存在しないのだけど。

「……よし。素麺か何か食べに行こう。そうしよう」

結局、どうしようか悩んだ挙句に私はあそこへと向うことにした。
いわゆるツケの利く得意先というわけだ。未だに支払った記憶の無いツケではあったが。


「というわけで何か食べさせてよ霖之助さん」
「……。」

眼鏡の向こうの瞳が、私に対する様々な疑念をありありと物語っていた。
霖之助さんは嘘をつくのが苦手だ。というのは、あまりにもその瞳や仕草が雄弁なのだ。
目は口ほどに物を言う、という格言を体現している。わかりやすい。
そういう意味では、一緒にいて安心できるタイプの半人半妖だ。

「麺しかないからね?」
「ええ。おかずは一品で我慢してあげる」

あえて無視して、そんなことを言ってみる。
何だか知らないけど、霖之助さん相手にこうやって無理難題を言うのは嫌いじゃない。
なぜなら、こういう風に言うと彼は大抵――

「野菜炒めでも?」
「素敵だわ」

こんな具合に、私の要望を叶えてくれるからだ。

何かあれば理不尽な困難が私に降りかかってくるのだから
これくらい、甘えてもいいわよね。

そう思いながら、私はこの埃と木と湿気の混ざった家で
じっと食事が出来上がるのを待つことにした。

「ね、霖之助さんも一緒に食べない?」
「そうじゃなきゃ作らないよ」

気がついたら、私は食べるのが待ち遠しくて仕方が無い。


蝉はまだ鳴かないが、夏はもうそこだ。
ぐえっぷ
手書きのレポート8枚は洒落にならない
レスポンス0704
ね、眠い…

>霖之助wikiの管理人です、リンクを貼らせていただきました。
ありがとうございます。いち利用者として光栄です。

>慧霖続編、乙かれでっす。ほのぼののような、甘酸っぱいようなステキな空気が溢れてきてるぅ
信じられないでしょう?ツンデレを書いたつもりだったんですよ、これ…

>けーね先生かぁいい けど何でも頭突きで解決はやめましょう
頭突きを用いるケースは限られている、と慧音先生よりコメントを頂戴しております。

>ツンデレを所望したものですが望んだ以上におもしろいssでした
ホッとしました。

>ただ、生意気でスイマセンが二箇所程細かい所を、「~甘味には滅多な事ではありつけない」 
>「~どこをどうとればそういう発想に~」という文にした方が自然な言い回しかな?と思いました
おお、具体的なアドバイス痛み入ります。
そうですね、ちょっとくどかったり、おかしかったりしたかもしれません。
ちょっと修正しておきますね。



よし、寝よう…
プレインスマイル2
試しに書式を直してみる。見やすいのか読みにくいのか、判断に困ってしまいます。
なおタイトルからもお察しいただけますように、プレインスマイルの続きとなっております。
どこかで見た展開だと自分でも思いますが、中々ありがちな状況からは脱却できません。
……というわけで寛大な心で作品を読んでいただければ幸いです。


 上白沢慧音の住まいは里の中では外側に位置している。これは差別というより、単純に土地が無いという理由によるものだろう。実際、彼女の寺子屋まで不便があるような距離ではなかったし、僕にとって街中にまでわざわざ出向かずに済むのはむしろ好都合であった。

「よく来たな」
「来いといったのは君だろうに」

 よほど退屈していたのか、茶と饅頭を出してくる彼女はどこか機嫌がよさそうに思えた。普段は無断拝借されてばかりの茶を振舞われると、何だか不思議な気分になる。僕の中で、お茶というのは自分で飲むか飲まれるかのどちらかとなっていたのだ。

「べ、別にお前が来たからっていうわけじゃないからな。偶然だ、偶然!」
「いずれにせよありがたいことだ」

 あの森の中では甘味にありつくことは、滅多にない。もし手に入れたとしても絶妙なタイミングで博麗神社に奉納させられてしまうだろう。より具体的には、そこの巫女に食われるのだが。

「さて、一息ついたら手伝ってもらうぞ?霖之助」

 にこりと笑う慧音の言葉には嫌な感じがしない。むしろ距離が近い印象すら受ける。本来の仕事を思い出した僕は、荷物を降ろして彼女の指示に従うことにした。

「それで僕に何をさせようって?」
「ん?先生だ」




「……慧音先生の手伝いをすることになった森近霖之助です。よろしくお願いします」

 こんなに大勢の人間を前に何かを喋るというのは、どれくらい前の話だろう?そんなことを考えながら、僕は少年少女たちの衆目に晒されていた。

 慧音の寺子屋には想像していたよりも多くの子供たちがいた。彼女の話によれば、最初は教育の必要性を感じない人ばかりで不評だったようである。しかし、次第に数が増えてきて、今ではそれなりの人数が集まるようになったらしい。

 子供たちの反応は、見慣れぬものを見るときの警戒感からくるもので、僕の外見や素性に対して恐怖している、などというような類のものではなかった。慧音の生徒である彼らには、かつて里に蔓延していた畏怖心など初めから無いものになっているのだ。

「こちらの森近先生は、今日一日私の代わりに勉強を教えてくれるそうだ」
「もっとも、慧音先生とはやり方が違うかもしれないけどね」

 子供たちはそれぞれ、互いに顔を見合わせたり小声で何かを囁きあっている。やはり見慣れぬ輩がいきなり湧いて出るというのは彼らの好奇心を大いにくすぐることだろう、と僕は思った。もし座ってるのが僕だったら、あれこれと質問したことで頭が一杯になるかもしれない。あるいは何か生意気な口でもきいているのかもしれない。

 そして授業が始まった。
 いくら優れた教本があろうと、それを活かせる教師の存在を無くして物事を覚えられる者は少ない。その例に漏れず、この子供たちは慧音という教師により僕が考えている以上に豊富な知識を持っていた。
 
 借りてきた猫、とでも表現してあげるのがいいのだろうか?彼らの教わる態度というのは、少なくとも午前中に関して言えば、まったく問題はなさそうに思えた。

「手を焼くとは思えないが。もちろん、今の所……だが」

 間に休憩を挟み、息抜きがてらに僕は慧音に率直な感想を語った。

「適度な緊張感があるのが功を奏しているのだろうけどね」
「それで十分だ。どうも時々私の説明は空回りするようでな……それに」
「それに?」
「お前、教師に向いてるんじゃないか?」

 馬鹿をいうな、と笑い飛ばしておく。僕が求める知識と子供たちに必要な知識では方向性がまったく違うのだ。畑を耕すのに刀を使わないように、僕の知識では子供たちには何も与えることは出来ないだろう。


「もりちかせんせえ」
「そもそもだね……うん、なんだい?」

 持論を展開しようとしたところで子供の1人に声をかけられた。前から二列目に座っていた男の子だ。

「せんせえとけーねせんせえはけっこんしてるの?」
「……いや、そんなことはないが」

 僕は目の前の子供の、あまりに飛躍した自由すぎる発想に眩暈を覚える。結婚?どこをどうとればそういう発想に至るのか。そのことについて検討すべき余地がいくらか残されているように思えてならない。

「ほ、ほら、森近先生を困らせるんじゃない。もうすぐ授業が始まるから席につきなさい。座らないと頭突きだぞ」
「わーっ、ごめんなさいごめんなさい」

 固まっている僕を見かねたのか、慧音が助け舟を出してくれた。なるほど、いつもこんな調子なのだろうとよくわかるやり取りだ。あまり見せたくなかった光景だからなのか、慧音の顔は恥かしそうで赤くなっていた。

「な、何をいってるんだろうな子供たちは。あは、あははは」
「さあ、ねえ…………その、授業、始めようか」
「……ああ。そうしてくれ」

 その後の授業は子供たちが僕に慣れてしまったのか、関係ない質問攻めにあってしまう。あの閑古鳥の無く店がこれほど恋しくなるのは、自分でも驚きだ。

「勘弁してくれ」

 僕はそう、子供たちに聞こえないように嘆いた。

出歩くと
交通費でまさかの死亡フラグ。
たぬきの身では流石に無理なので人間に化けて電車なる文明の利器の手を借りましたが。

そして、私はマイナーな香霖と誰かの話を書いていけたらいいな、と思ってます。
超ニッチな需要を僅かに満たすことが楽しい。



▼以下、拍手レス
>文に盗撮されて幻想郷中にばらまかれるんですね、わかります
その後に霖之助は残念なことになるんです。わかっていただけますね?

……この文、まさに外道。

プレインスマイル
リクエストに答えるべくツンデレに挑戦してみた……のですが。です、が。
これでもいいのかなぁ、と悩んでしまうところです。題名は、プレインエイジアから。



お前は妖怪じゃない、と彼女は言う。
だが人間でもない、と言ったのは誰だったか、今はもう記憶の彼方だ。


それから何年か過ぎて、昔々というには少し短い程度の時間が流れ、
未だに僕は妖怪に混じることも人里に戻ることもせず、森の中に1人で住んでいる。
定期的に訪れてくれる固定客や、客まがいの何かには恵まれるようになったが
だからといって何か大きな変化があったかといえばそうでもない。

ここは雨が降ろうと槍が降ろうと、店主である僕の気分次第で営業する香霖堂。
今日は人里から彼女――上白沢慧音がやってくる日だ。

「まだ生きてるか?」
「ご親切に」

別段取り繕う必要も無いので、僕はいつもどおりに過ごして彼女を出迎えた。
里で寺子屋を開きながら人と共にあり続ける彼女は幸せなのだろうか?
短く返事をしながらそんな考えるが、ずっと僕はその問いを聞きそびれたままだ。

妖怪が表立って派手に人間を襲わなくなってから、里の人々も随分と寛容になった。
村を囲んでいた物々しい柵や堀なんかは今となっては見る影もない。
もちろん、人間以外が村八分や追放されるようなことなんかも、ない。

「村の方は、もう暫くしたら祭りだよ。子供たちの話題もそれで持ちきりだ」
「目に浮かぶよ。だけど別に子供に限った話じゃないだろ?」

人里の祭りは例大祭などといった神事と絡んだ要素は薄くなってしまっている。
もちろん元を辿れば儀式だが、時間がそれを形骸化させたのだ。
良いとも悪いともいえない。そういうものだ、と受け入れざるを得ないのだ。

「しかしマメだね。こうして僕の様子を見にくるというのも」
「私は里の守護者だからな。それに……」
「いや、よくやってるよ」

本心だった。
彼女は何かと理由を作っては、僕の店に足を運んであれこれと里の様子を話していく。
そこまでする必要性というのも今となっては喪失するくらいの時間は経過していた。
里の祭が形骸化するよりも、僕に対しての興味を喪失するほうがずっと早い。

昔から、彼女は生真面目で勉強熱心な方だった。
だが反面、詰めが甘く、どこかいい加減で自己完結しがちな面がある。
似たもの同士、というのはあまりに安直だが、僕はどこか共感を覚えていた。
一人で勝手に突っ走り、独りになってしまうあたりも含めて。

「そ、そうか」
「ああ。大したものだよ」

そこで互いに話が途切れた。当たり前だ。積もるほどの話も無い。
僕は立ち上がって、村の連中によろしく、とだけ言って掃除を始めた。
帰ってくれ。つまりは、そういうことを糖衣に包んだ表現で伝えたつもりだった。
だが彼女が帰る様子は無い。何か言うべき言葉を探しているのだろう。

やがて、彼女はこう言ってきた。

「なあ霖之助、寺子屋のことなんだが」
「……なんだい」

慧音は手を後ろで組んでいる。
昔からのクセで、彼女は緊張したりウソをつくと、いつもこうだ。

「その、少しで良いんだが……授業を、だな、手伝ってくれないか……?
 きっと子供たちも、喜ぶだろうし」
「だが僕は……」
「なあ、いいだろう?べ、別に無理にって訳じゃないんだ。
 ただ最近、子供たちのやる気が、だな」

僕はこの流れを何度か経験したので知っている。
ここで断った時の彼女は、最終的にキレるか泣くか、あるいはその両方かだ。
いずれにせよ御免こうむるので、僕はこう答えることにした。

「わかったよ……明日か明後日にでも行けばいいかい?」

クライシスを回避すると、彼女は笑顔になる。
まったく、こういうところは昔と変わらない。それに――

「ホントだぞ!絶対だからな!」

僕は、この笑顔には、あまり変わって欲しくない。



プロフィール

ぽんこつたぬき

Author:ぽんこつたぬき
春が来たら冬眠から覚める獣。
リンク、転載は許可無しでも可。

小説っぽい何かが読みたい人は
東方タグを押すと楽です。

twitter -> ponkotsutanuki



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