未確認歩行物体
東方香霖堂などが好きなケダモノの住処
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おかしいな、もう金曜日だ
などという人間のぼやきが聞こえてきます。
たぬきに曜日は関係ありませんがね!

と、いうことで拍手レス~


>こーりん自由人だぁwwwこれで生活できるんだから幻想郷はいいとこだぁ
この手の道具屋は、一定の顧客がいれば間違いなく食べていけるそうです。
素敵ですね


>こーりんは好きなことには首を突っ込みそうですねぇ
「好奇心は僕殺し。何も知らないよりも、知って後悔したい」
などとのたまうこーりんが想像できました。


>愛してます!
同じコメントが2つもありましたが、同一人物の方でしょうか?
私も愛しております。色々と。愛は世の中に遍在しているのです。

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きせいちゅう
朝、目が覚めたら虫になっていた――というのは、外の書物の一説だ。
その書物になぞらえるならば、朝、目が覚めたら虫が店の前で行き倒れていた。

……というか、虫の妖怪が、軒先で寝ていただけなのだが。


「うう、私、どうしてこんなところに」
「さてねぇ。僕の方が聞きたいくらいなんだけど」

ここ最近、外は曇天で気温の低い日が続いているから、それが原因ではないか。
そんな推測をしながらも口には出さずに、とりあえずお茶でも振舞ってみる。

「はうっ……暖かい、暖かいよー」
「何だ、暖がとりたかったのかい」

もう使わないだろうと思ってたストーブに火を入れる。燃料は、まだ残っていた。
最初こそ、ぶすぶすと不機嫌な音を立てていたが、やがて部屋を暖める。
肌寒く感じていたので、たまにはいいものだな、などと思っていると

「天国?ここは天国!?」

暖かさに引き寄せられるように、ふらふらと近寄ってくる。
その顔は、温度のせいかだらしなく、ふやけた様な顔だ。

「寒そうだから暖房を入れただけで、大げさな娘だな」
「だって、昆虫って寒さには弱いんだよ?」
「冬眠なんかはしないのかい?そういう妖怪もいるようだけど」

やかんをストーブにかけて、椅子を用意してあげた。
そこに膝を抱えて震える彼女は、こうこう言い返してくる。

「ふっ、私のような妖怪ともなれば冬眠の必要は」
「それじゃ換気のために窓でも開け――」
「ウソです寝床がこの前の大雨で壊れて途方にくれただけです」
「道理で」

納得したので、一応の開店準備をすると黙々と本を読む作業に入る。
虫の妖怪の彼女――リグル・ナイトバグ――は、そのまま寝ているようだった。

しばらくして店がぬくたまると、僕は燃料の節約のため火を落とした。
そしてそのまま再び本を読んでいると、彼女が目を覚ましだす。

「ぅぁ、寝てました?私」
「よだれをふいたほうがいいよ、とは言っておく」
「…………ぅぅ、死にたい」

よく判らないが、何か鬱になったようだ。
とはいえとりあえず会話できるくらい元気になったのは確かなので
何処へでも行ってくれ、と遠まわしに提案してみる。

「また倒れちゃうよ!」
「そんなことを言われてもな」
「お願い。見捨てないで。私をここに置いてください。できれば暖かくなるまで!」

あと、一日に一回くらいは甘いお菓子を食べたいです、などいう要求までしてきたので
僕はその提案を、全力で丁寧に三途の川の向こうあたりまで蹴り飛ばし、却下した。

「出口はあそこだ」
「……死ぬまえに虫を大量に呼んで刺し殺してやる」
「さらっと脅迫するんじゃない。それに仮に置こうにも、誰かを養う余裕なんて無いよ」
「な、なんとかそこを……」

結局、僕は雑用を手伝わせることで冬眠場所を提供することになった。
加えて、虫を操れるらしいので、害虫の類は一切合財追い払ってもらうことにした。

思いのほか彼女は小食なので食費もさしてかかることもない。
つつがなく、とはいかないが、それでも僕とこの店は彼女を受け入れていた。
これで布団にもぐりこんでこなければ、特に文句もない。



「ところで、どうして家の前で倒れてたんだい?」
「何だか凄く気になる匂いに惹かれてきたような記憶が、ぼんやりと……」
「ハエ取り紙に引き寄せられるなよ。妖怪として」

客と、それ以上の間

たとえ閑古鳥がローレライのごとく優雅な声で鳴こうとも、香霖堂は営業中。

とはいえ今は、アリスが香霖堂に買い物にやってきている。

「店主さん、何か良い糸は入ってる?この前の透き通った繊維みたいな」
「生憎と普通の糸しか無いね」
「それじゃ人形の服は?マジックアイテムのアクセサリ類なんかでもいいけど」

アリスは幾つかリクエストを並べ立てるが、霖之助はよい返事ができない。
なにぶん店の品は多くが一点もの。加えて不定期に入荷するので、無いことが普通なのだ。
そのあたりはアリスも心得たもので、別に無いと言われてもドライな返事する。

「ま、仕方ないわよね」
「君は数少ないウチを贔屓にしてくれる客だし、なるべく要望には答えたい所だけど」
「期待してるわ。また来るわね」

「さて」
アリスが帰ると、霖之助は期待に答えるべく重たい腰を上げた。
無縁塚の確認をして、それでもダメなら人里から小物を仕入れて魔力を付与する算段だ。
結局その日、霖之助は人里で装飾品の類を幾つか仕入れて変える形になったが。


翌日、霖之助は黙々と作業に没頭して、それなりの道具を作り出すことに成功した。
もちろんアリスの要望……つまり、お人形の材料……に応えるためだ。
霖之助にとって彼女の人形は、独特の設計思想が現れていて大変に興味を持っている。
その一助となれば幸いであるというのが、霖之助が行動する動機だった。


「こんにちは……」
「やあ、いらっしゃ……何かあったのかい?」

それから何日かが過ぎて、アリスが再び香霖堂を訪れた。
霖之助は、彼女がどこか気落ちしていることを見抜くことができた。
声の調子や顔色などで一目瞭然ではあったが。

「あ……やだ。そういうの、表に出ちゃってる?」
「自分で言うのもなんだけど、僕が見てわかるくらいだ。相当のものだよ」
「そう、なの」

苦笑するアリスを見るに見かねて、霖之助はそうなった原因を尋ねることにした。
落ち込んだままの人を見て無視できるほど、霖之助は冷淡ではない。

「……人形の糸がね。切れちゃって」
「なるほど……ただ切れたわけじゃなさそうだけど」
「ええ。代わりの糸で直してみたの。だけど、すぐにまた切れちゃって」

どうしてこうなるのかわからない、とため息をついて突っ伏してしまう。

「その人形、見せてもらってもいいかい?」
「え?ええ……」
「門外漢だけど、僕なりに力になれるかもしれないからね。じゃあ行こう」
「へ、お店は?」

きょとんとするアリスに、霖之助はニヤリと笑って答えた。

「思い立ったが吉日。善は急げだ……ああ、もちろん都合が悪ければ日は改めますが」
「えっと、そう、そうね。一刻を過ぎたら来て。道は上海人形に案内させるわ」

アリスはこういうところは魔理沙に似てるのね、などと妙な関心をしていた。
それから、ほんの少し店に来る前よりも気持ちが楽になった気がして
来てよかったと素直に思った。


香霖堂。
それは、時と場合によってはやけに活発になる店主が経営する古道具屋である。

もうすぐ10000hit!?
見間違いかと思いましたが、そんなことはないようです。
まったく実感が湧きません。

まだ緋想天は遊べてません。やろうと思ったんですが、今は眠気が…
今回は拍手への返信だけさせていだきます。
せっかくコメント送ってくださってるので、溜めないように…


▼以下、拍手レス

>神奈子様は可愛いですね
神様らしい神様なんで、中々霖之助と喋らせるのは難しかったです。
霖之助抜きの、風神録の面々の話も書いてみたいですね。


>カップリングじゃない時の文はいつでもパパラッチですね。
>それにしても、妹紅との絡みがいいです。すごく
ありがとうございます。軽いノリで会話できるって良いですよね。
よし、思い浮かばない!
拍手の数が、拍手SS更新を期にブッ飛んでて恐怖に戦きました。
拍手してくれる方、大変ありがとうございます。嬉しいやら戸惑うやら。

▼以下拍手レス


>魔理沙にとって霖之助はいいお兄さんですねー 唯一弱音を吐ける存在っぽい
その距離感が心地よいのかもしれません

>いい、魔理沙と香霖でした。ごちそうさまです。
おそまつさまでした。楽しんでいただけたら嬉しいです。

>いいなー。あの行列を並んだたぬきさんに敬礼!無茶しやがって…byドルルン
まだ生きてますよ!八月と十二月にも行くので並ぶのは慣れてます。
買うものは少ないんですけどね。


>これまた雰囲気がすんばらしぃ! 今年の例大祭は当たりだったようで~。(刑事
ありがとうございます。例大祭は雨と混雑が残念でした。
体験版についてあれこれ書こうとも思いましたが、買えない人も居るので暫くは触れない方向で

試しに祈ってみたけれど
「おい、半分」
「開口一番、のっけから失礼な。どちらさまだ?」
「神様よ」

分社を作らせて欲しい、という要望があったので、神棚でよければと応じた霖之助。
頼んできたのは少し前に幻想郷にやってきた、新しい神社の巫女だという。
霊夢に比べていくらか物静かで、何か今までの面々ともまた違った感じのする少女。
名を東風谷早苗といった。

頼みを受け入れてこしらえたのが今の神棚で、古臭い店内にはそぐわぬ新しさ。
その一画だけは、古ぼけた香霖堂の中で浮いて見えていた。

自身は信仰らしい信仰を持たぬゆえに形骸化してはいるが、所定の作法で祈りを捧げる。
特に願掛けするわけではなく、あくまでも神に対する社交辞令のようなものだ。

「貴様の態度が気に食わん」
「左様でございますか」

神曰く、そういうことらしい。霖之助は、だからどうしたんだと言いたげな表情をした。

「なんだその顔は」
「いやなに、唐突に現れてそりゃないでしょう、というわけですよ」
「心当たりがないと?祈るだけ祈っておいて願いが無いというのは酷いだろう」

言いがかりだ、と霖之助は思うが、どうも話を聞くと妖怪の信仰は無いと思ってたので
たいそう驚いたようである。
そんな風変わりな妖怪なら是非とも会ってみようと思ったが、
よく確かめれば願いが無い。神をひやかすものではないと怒りに来たらしい。

「そんなこと言われても」
「まったく、神を何だと思っているのやら」
「さてね。半分は人間なんで、半人也には信仰してますよ」
「無礼千万な奴だね。少し神の力を思い知るといい!」

なにやら不穏な気配がするので霖之助は、これはたまらないと思った。
せいぜい機嫌を直してもらって丁重にお引取り願わないと、身の危険を感じたのだ。

「ここに黄身時雨がありますので、どうぞこれをお茶請けに一服してください」
「何?食い物で誤魔化せるとでも思ったか?」
「おや、お供え物のつもりでしたが」

そういわれると弱いのが神らしく、何とかオンバシラの飛来は免れたらしい。
静かにお茶を飲む神。何ともシュールだ。

「あまり暴れると神棚が神隠しにあうかもしれませんよ。具体的には、かまどとかに」

湯飲みを持つ手が止まり、霖之助を神が睨みつける。

「早苗さんは悲しむだろうなあ。まさか神自身が暴れまわってるんじゃな……」
「うっ」
「まあ、願いならあるんだけど ささやか過ぎて
 申し奉るまでもないと思っただけなんですがね」

霖之助も自分のお茶を飲んだ。苦い。
黄身時雨を口に放り込もうとする、が既に食い尽くされていて、神を呪いそうになる。

「何かあったら気軽に言いなさいな。今日び、フランクな神の方が受けるようだから」
「神が受けを気にするようじゃ、世も末ですね」
「だからこそ、私たちの世が終わる前にここへ来たのよ」

霖之助は遠い目をする神に、少しは信仰してあげようと思うった。

神の名が、八坂神奈子だと判るのは、それから数日後のことである。
名前も知らず奉るなと、そのときはそのときで怒られるのだが、それは別の話。

レスポンス
例大祭に行ってきました、が、混雑しすぎてチェねずみさんの所とかで挨拶できなかった…!
もう残念でしかたありません。新刊はにっこりしながら読んでます。
とりあえず、体験版をゲットしたので黙々と遊びつつ、緋想天もやろうと思います。
それだけ買えれば僥倖か…


▼以下拍手レス
>橙に会いに来るという口実で紫が遊びにいって「なんだ君か(他意は無い)」
>とか言われて涙目になってそう
些細なことで傷つくとは、なんという少女臭

>蛇の道と言われようがアリ霖は最高だと思うんだ…!
その意気やよし! …いつかアリ霖を書いたら読んでください

>藍さまかわいいなぁ ゆかりんは嫉妬ですか?
嫉妬です。ついでに、おしおきや躾もかねてます。

>ナイス文 あと紐で遊ぶ霊夢がきゃわええ
退屈は何を引き起こすか判ったものじゃないです。だがそれがいいと思うのです。

>妹紅がいい姐さん女房に見える
偏りつつも豊富な人生経験が何かこう、私の中では姐さんキャラみたいに…

>これはイイ通い妻ww いいぞもっとや(スキマ
なにやらスキマ妖怪の機嫌が悪いようですね。剣呑、剣呑。
彼女の心、雨のち晴れ。



外は雨。曇天と降雨を、行ったり来たりする日。

魔法の森の中にある潰れない程度の店、香霖堂。
今日も今日とて、誰かがやってくる。

「いよう!こーりん、相変わらず辛気臭いな」
「ドアを乱暴に開けるな。行儀悪い」
「元気と言ってくれ。乙女はパワーだぜ」

濡れた濡れた、と言いながら、ばさりと帽子を脱ぐ魔理沙に霖之助は嫌そうな顔をした。

「おい、商品が濡れるだろ。拭くものを持ってくるからじっとしてろ」
「ん」
「雨の中で飛ぶことも無いだろうに」

霖之助が持ってきたタオルで魔理沙の顔を軽く拭いてから、それを手渡した。
魔理沙はそれをキャッチして、拭き出す。

「まったく、梅雨になる前から毎週のように雨が降るのは勘弁して欲しいぜ」
「毎週が毎日になるな」
「やってらんないぜ。だけど雨がないとキノコも育たないからなー」

霖之助は帽子の形が崩れないように、そのまま置物に引っ掛けてしまう。

「こーりん、商品が濡れてるんじゃないのか?」
「あとで拭けばいい。もっとも、この帽子の形が崩れてもいいなら喜んで放置するが」
「そのままにしておいてくれ」

静かに雨が降る。雨が降り続けて、湿度が上がっていく。

「この重い感じはイライラしてくるな」
「いい事を教えてやろう魔理沙。その八卦炉を使うんだ」
「店に風穴を開けるのか?」
「違う違う」

霖之助は八卦炉を手に取るとそれを起動して、店の中の空気を清浄しだした。

「おー、すげー」
「魔法を増幅して放つことばかりが八卦炉じゃないよ」
「なんか、涼しいな」

重たさが消えるが、実際には日が差してないので空気は冷えたままだ。
霖之助も長い袖で丁度良いと感じるのだから、魔理沙には答えるに違いなかった。
事実、ちょっ寒そうなのが行動のいたるところから感じられる。

「仕方が無い。茶でも淹れよう」
「お、気が利くな」
「風邪をひかれたらたまらないからな」
「風邪ひいたら看病してくれるから気にしないぜ」

お湯を沸かして、霖之助は2人分の茶を淹れる。
それを飲んでると、不意に霖之助は自分に加重がかかったことに気づいた。
魔理沙が背中を預けてきたのだ。

「ちょっと研究に行き詰った」
「そうか」
「雨が上がったらもう一度やってみるぜ」
「そうするといい。」
「……うん」

霖之助には魔理沙の表情は伺えない。
だが雨の中、彼女が店まで飛んできた理由がようやく判った気がした。

静かな時間が流れていった。
ただただ、静かな時間が流れていった。

やがて雨が上がると、そこにはいつもの霧雨魔理沙と
今日も今日とて営業している、香霖堂に、その店主がいた。

拍手まとめ
2ができたらいいですよね。
とくにタイトルは決めてません。



「ここに来ると、オマケがある?」
「そう、どこに行ってもステキおまけがあるのよ。ここでも用意なさい」
「だけどここは僻地だし、ついでに言えば押されるとは限らない」
「用意しなさいよー」
「それじゃオマケじゃなくておみやげだよ」

「こう見えても私ってお姫様なんだから、貢物をしても損は無いわよ。ほらほら」
「どう見ても少し世界の中心が自分よりな価値観を持った単なる女の子なんだが」
「あんまり反抗的だとうっかりお店の品を壊しかねないわ」
「姫を自称するなら然るべき振る舞いを望む僕は間違ってるのか?」
「間違ってませんよ店主さん。ほら姫、買う物も買ったから帰りますよ」
「聞いた?他称も姫よ」
「はいはい。あ、まいどありがとうございます」

「つまんないお店だったわ。ついてくるんじゃなかった」
「姫、その割には顔が笑ってます。それに姫のことだから、もう道は覚えたでしょう?」
「なんのことかしら」
「なんのことでしょうね。ふふ」


登場人物3名。森近霖之助、蓬莱山輝夜、八意永琳。




「ねえ店主さん。気のせいじゃなければ、この前から何一つ店内が変わってないと思うんだけど」
「全くそのとおりで、真っ当な買い物客は3日前に君がやってきたのが最後だね」
「……その、それで、やっていけるの?」
「品物を売るばかりが香霖堂じゃないからね」

「じゃあ何!?単なる珍品を扱うだけの、閑古鳥の大合唱が聞こえる店じゃないの?」
「マジックアイテムの製作やメンテナンス。それから片手間で裁縫とか、だね」
閑古鳥とは失敬な、と否定でき無い程度には流行っていないのだ。

「え、そんなことできたの?どんなのを作ったの?」

霖之助は失敗したな、と思った。目の前の少女もまた知識を探求する魔法使いなのだ。
その瞳はさっきのような興味本位ではない。もっと真面目なものだった。

「企業秘密、ということにしておこう」
「むむ」

意を決したアリス。何か作れ、と申し付ける。

「何かねえ」
「う、うう……」

勢いで言ってしまったらしく、そこで言葉に窮する。
いじめてしまったか?と、軽いサディスティックな喜びを感じながら、霖之助はそれを見つめていた。

「まあ、いいさ。1週間後に何か渡そう」
「え、でも代金は」
「何か作るから、それを見てから決めてくれ」

人形の装備でも作ればよかろうと、小型化した盾や弓、槍、ついでに洋服をあつらえる。
最初は片手間だったがその性格が災いして徐々に気合が入り、かなり真っ当な物を作っていた。

一週間後、カウンターでショックを受けたり感動したりするアリスが見られたという。


登場人物2名。森近霖之助、アリス・マーガトロイド。





僕は帳簿への記入を終えて最後にそろばんで計算、算出された数字を見て天井を眺めた。
「素晴らしい。人件費を考慮してないから辛うじて黒字だ」
「なあ、そういうのは客の前でつけるものじゃないだろ」

道案内の護衛は最近めっきり少なくなっていたので、ヒマらしい。

「君が客という分類に入るなら、入店から退店までを優しく見守りますが」
「やめてくれ。恥かしい」
「じゃあ客扱いはしないけどね……ああ、しかし思いのほかゴミが溜まったな」

売れたものと在庫の整理をする。仕入れ値がほぼかからないのがこの店の強みだ。
だが興味本位で拾ってくるものは、よく調べると大破してたりするものも多かった。
当然修理しなければ売れないのだが、修理できない物も多く、まさにゴミの山となっていた。

「どうするんだ、あれ」
「いっそ燃え尽きて灰になってくれた方が使い道は出るね」
「私から見れば、この店の道具も大半は外にあるのと同じだよ。いっそ店ごと灰にしようか」
「やめてくれ。僕はひ弱な男だから路頭に迷って野宿したら死んでしまうよ」
「そのときは拾ってやろう」
「犬や猫じゃあるまいし」
「おーよしよし」
「やめてくれ。うわ、髪が」
「あははは」

やれやれ、とため息をついてそっぽを向いてみる。
何が面白いのか、やれ猫だ、首輪に鈴でもつけようか、だので彼女はころころ笑っていた。

裏手のゴミを灰にしてもらったので水に流すことにしたのだけど。


登場人物2名。森近霖之助、藤原妹紅。



ようやく更新
長らく変わらなかった場所、Web拍手を、です。
もっと早く手を加えればよかったかも。


▼以下、拍手レス

>そのまま妹紅は住み着くんですね、わかります 今日は何作るとか自然に会話したりして
何かおかしいと気づく頃にはもう遅い。ふふふ


>紫が緊縛プレイならいつでも私がやってあげるのに……とか
言われて困る霖之助が見えます。

>この続きがみてみたいです
(ここまで至るきっかけは誰もしらず への拍手)
前向きに検討はさせていただきます。ちょっと上手い展開は思いつけませんが!
風邪よさらば
治りました。睡眠とテンションで乗り切りました。ふう。

▼以下拍手レス
>家っていうのはその辺に自然にできているものじゃない
>霖之助、魔理沙、アリスなど個人が家を作ったときの話とか見てみたいですね
面白いアイディアですね。書くのは何とも難しそうですが。

>迫る妹紅に「すまない……君のことを考えてしまうと他のことに手がつかなくなってしまうから」とか言い訳を
できるようなら、もっと別の人生を歩んでいる気がしてくる不思議。
いや、そういう風にして煙に巻くのもアリな気が……しないか。どうだか。


>もこは何でお札を武器にしているのか?←霊夢の札とよく似てね?
>霊夢の札は香霖製、たぶん香霖が関係しているんだよ
>な、なんだ(ry
>ということで妹紅SSをリクした人ですがありがとうございました
>風邪は寝て治すのが吉ですぞ
MMR的な一面もまた、香霖堂の魅力ですね。
そういう風に推論をもっともらしく展開できる霖之助がかけるようになれば幸せかもしれません。
リクエストに答えられたようで何よりです。風邪は上にも書いたとおり、寝て治しました。


>も、もこー!(叫び声) 最高っすモコ
私のコンセプトとしてマイナーな組み合わせで他所様との差別化を図ろうという狙いがあるのですが、
そんな計算はさておいても、思いのほか妹紅はお気に入りなのかもしれません。自覚はありません。妹紅好きな方とお見受けしますが、私の作品でも楽しんでいただければありがたいことです。



▼おまけ
「あら?魔理沙、何食べてるの?」
「ようアリス。これはきつねうどんのきつね抜きだ」
「素うどんって言いなさいよ」
「いや、きつねうどんだぜ。そう言えば少し贅沢した気になれる」
「……お得意のキノコでも混ぜたらどうなのよ?」
「おいおい、私はきつねうどんが食いたかったんだぜ?」
「ああ、それじゃ仕方ないわね」

ずるずる

「いや、いやいやいや。納得しちゃダメでしょ、私」
「ちなみに、きのこうどんを毒見した香霖は本日臨時休業だ」
「……お店ごと閉店にならなくてよかったわ」

風邪が。
襲い掛かってきました。気温差で軽く辛い。
パブロンゴールドなる薬を半分に分けながら飲んでます。丁度いい。
例大祭には、多分何だかんだいいながら出かける気がしてなりません。
本を買わずに見て回るだけというハタ迷惑な参加者ではありますが。

▼以下拍手レス

>霖之助は普通にかっこいいと思う てな訳でSS楽しませてもらってます

ありがとうございます。もっと閲覧数が減ったりするかと思っていたり
霖之助の出ない作品を書いたので反応も無いと思ってました。
細々と更新していくつもりですので、これからもよろしくお願いします。

その情熱は温度を伴って
久しぶりに時間がとれたので、リクエストに答えてみました。
妹紅と霖之助、とのことでしたので、そういうことで。



「なあ霖之助や。お前、最近は儲かってるのかい?」

熱心にそろばんを弾かずに済む程度の儲けである森近霖之助が、藤原妹紅に
そんなことを言われたのは、1ヶ月ぶりに顔をあわせての開口一番である。

「何でまた急に。いやなに、潰れずに済む程度には商ってはおりますが」

ごらんのようにね、という霖之助の卓上には、本の山が積まれていた。
妹紅が店を見渡せば、なるほど、確かに品は減っているようではある。

「で、今日は何の御用で?」

平然としている霖之助に、妹紅は不機嫌そうにつかつかと歩み寄って卓上を叩いた。
湯飲みが一瞬だけ宙に浮かぶが、幸いにも倒れるようなことにはなっていない。

「何の御用?用が無けりゃ来ちゃだめなのか?ええ?」
「いやそんなわけでは」

ずずい、と卓乗り上げて顔を近づけてくる妹紅に、霖之助は気圧される。
近づいた分には足らないが、体を椅子ごと下げて距離をとった。

「一ヶ月前までは竹林とウチに通ってたのに今は姿を見せないから気になったんだよ」
「お陰さまでピンピンしておりますが」
「ほーう?足しげく通っておいていきなり音信不通なのに、お陰様ねぇ」

下がれば下がるほど乗り出してくる妹紅は、もはや卓上によじのぼらんばばかりの勢いだ。
霖之助は遂に進退きわまって、窓の外を眺めてこう答える。

「ああ、もうこんなにも景色がうつろうとは」
「こっちを見ろ霖之助。今更顔を見られてうろたえる仲じゃない」

ついに乗り上げてきた妹紅に霖之助は降参したらしく、本を閉じて向き直った。
目の前には不敵に笑う顔。霖之助は、こういう顔をした相手が危険な事をよく知っている。

「で、こればっかりは本当に判らないんですが、どうして今日はここに?」
「放っておかれるのが我慢なら……ん?その本も、この本も、続き物だな」
「あ、いやその」
「…お前、この本をずっと読んでたな?」
「まあ、なんというか、そうなるような、ならないような。意外と客もあってだね」
「あの女の家から貰ってきたな」
「……はい」

そっと霖之助と妹紅の手が重なり、やさしく本は近くの棚の上に置かれた。
妹紅はもう片方の手で霖之助にしがみつくと、じっとして何も言わなくなった。

「悪かった。悪かったから」
「……。」
「だが、あの本はちょっと冊数が多かったのと訳本なので注釈を参照しないとだね……」
「……熱を持て余して火がつきそうなんだがなあ?」

ぎゅう、とさらに締め付ける力があがる。女の力が侮れないのは霖之助だって百も承知だ。

「判った。せめて文の一つでも送れば良かったと思うよ」
「本を読むのを優先させて私を尋ねるという考えは無いのか。
 そうかそうか。好きなことを優先するか!じゃあ私も好きにさせてもらおうかな!!」

言い訳に失敗した霖之助を見上げる形で、妹紅はにっこりと微笑んで、力を行使した。

――滅罪「正直者の死 -easy-」

「痛い痛い熱い頼むから離れてくれませんか熱い熱い熱い!ごめんなさい!」
「ふん」

その後、あちこちに出かけたりする事で何とか怒りを静める霖之助だった。

やれやれ
忙しさのピークは過ぎ去ったようです。手が痛くて辛かった…ああ疲れた。
コンスタントに拍手があるのは大変ありがたいことでした。
忙しい時に拍手を見て癒されてました。 ということで拍手レス…遅くなりました。

実はコメントまでは来ないのでおニ方(推定)へのレスだけですが


>ブログじゃなくてホームページを立ち上げる予定は?
HTMLで見たいという声が沢山あれば検討したいです。
が、そうするくらいなら新スクリプトになった創想話の世話になるような気もします。
そういえば投稿してませんね。最近。


>TRPGやってみたいんですけど知り合いが知らないんですよねぇ……
>自分もあまり詳しくないのですが何かいい案はないでしょうか?
ラノベを買うつもりでリプレイを買ってみるとかはいかが。
読み物用にアレンジされてるので実際にプレイするとまた感想は変わりますけど参考になります。
あとは実際にルールブックを買って読めば色々わかるのではないでしょうか?
ただ、モノによっては数千円するので(一応専門書ってことで)文庫ルールがお勧めです。
ソードワールド2.0やアリアンロッド、アルシャードガイアが求めやすいかと思われます。

実際にやってみたいのならルールブックを買った後にオンラインセッション(チャットで)
や、行ける圏内でのコンベンションに参加する、などという方法があります。
知り合いと遊ぶのも楽しいですが、中々理解されにくい遊びなので、参考までに。


ちなみにTRPGやるとキャラクターの創造が少し得意になります。
オリキャラなので東方二次創作ではあまり私は活かせていませんが。
あ、オンラインセッションするなら私も混ぜt(たぬきは変身が解けました

鈴蘭畑のどこかには
ある日のことです。
鈴蘭畑の中で、小さい命が捨てられた人形に宿りました。
周りには鈴蘭がいくらでも咲いて、その毒を惜しげもなく振りまいています。
そんな鈴蘭畑の中で、彼女は声にならない声をあげて生まれたのです。
赤く、明るく輝く。そんな満月の夜のことでした。


お人形は可愛い女の子で、真っ赤なドレスが何よりも彼女にとって大切に思えました。
この鈴蘭畑で、鈴蘭以外の何かを見つけるのは、とても大変なことでした。
毒に満ちた世界の中で、彼女は彼女以外の何かを、見つけなければなりません。

「私はだあれ?」

鈴蘭は答えず、ただ風に揺られながら、芳しい匂いと、その毒を漂わせるのみです。

お人形の女の子は、今、こうなる前に、何か悲しいことがあったような気がしました。
何か悲しいことがあったので、ただ、どこか遠くに行こうと歩いていた気がしました。

思い出そうとするだけで、自分の中にぽっかりとあいている穴が、どこか痛くなりました。
どこが痛いのかはわかりません。
ただ、その痛みが無くなった時、痛みと一緒に、何かが無くなったのだと。
お人形の女の子には、それが判ったのでした。

「私はだあれ?」

やはり鈴蘭は答えず、その香りと毒を漂わせているだけでした。

お人形の女の子は、やがて完全に一人で動けるようになりました。
彼女が失って、ぽっかりとあいた穴は、鈴蘭畑の毒が満たしてくれました。
もう、どこかが痛かったことは、思い出の中にしかありません。

お人形の女の子は、やがてメディスン・メランコリーと呼ばれるようになりました。
メディスン自身も、他に代わりも無いので、それでいいと思いました。

かつて彼女の、本当の名を知っている女の子がいました。
ですが、その女の子はもう、物言わぬ亡骸となり、土に還っています。
だからもう、本当の彼女はどこにもいません。

そこには、ただ、メディスン・メランコリーがいるだけなのです。

気がついたら7000hit
信じられない。というか、あの恐ろしいアクセスはなんだったのだろう。
春の嵐と思うことにします。
ちょっと謎の「しめきり」という妖怪に襲われてるので、拍手レスのみです。


>今更ですがゆうかりんのSSのアタック(略)はトマトのアレが元ネタですか、やっぱり?
そうです。アレです。わかってくれる人がいて、こういう反応があると嬉しいですね(笑

>おお、風邪をひきながらの強制旅行から帰ったらヤンデレに答えていただけている!
>中立でなければいけない巫女の葛藤がいい感じですww
そういっていただけると本当に励みになります。ヤンデレは本当に、難しい。

>7000踏みましたのでリクに入りませう!もこ霖で!
たぬき相手に世間の、人間の常識が通じると思うな…ククク…!(ざわ…
などと福本面でのたまってみたりしましたが、リクエスト、しかと拝領いたしました。
鈴蘭畑の話が書き終わりましたらとりかかる、かもしれません。気長にお待ちください


>うーん、あれだ天秤が傾くのが駄目なら霖之助を天秤の中央に置けばどうかななんて考えました
>中央ならどれだけ重かろうが両端には関係ないですから
そう折り合いがつけられるようになれれば、あるいは幸せなのかもしれません。
こどもの日だったので
クトゥルフ神話TRPGのキーパーをやらされてました。
どういう関係性があるのか全くわからないのですが

「今日はこどもの日ですよね、たぬきさん」
「そうですね」
「それじゃあ、クトゥルフ神話TRPG……やらないか」
「ウホッ」
「ところで、このサプリメントを見てくれ。こいつをどう思う」
「すごく……帝国です……」

などという会話を経て気がついたらゲームマスターとして参加していたのです。




正気ニテハ大業ナラズ。探索道トハ死狂ヒナリ。

大正時代の帝都を舞台にカルト教団の企みを防ぐべく、官憲や記者、ヤクザが奔走してくれました。
生存者2名(うち1名発狂) 死者1名 行方不明者1名
真相は警察の手で、決して明るみに出ることなく、歴史の闇に葬られていきました。


そんな一日。間違いなく私は連休弱者。
私が巫女であるために
リクエストに答えてみたシリーズ「ヤンデレ」
……久しぶりに霊夢です。ヤンデレです。なのでイメージと多分に違うと思います。
もっと霊夢はやさしくてかわいいよ!という意見や感想は常時大歓迎です。

そしてアクセス数を見てビックリ。恐るべしリンク効果とイベント効果。

///////////////////////////



「こんにちは、霖之助さん」
「やあ、霊夢。残念ながらお茶は残り少ないよ」
「じゃあ借りていかずに、ここで飲んでしまうわ。ということでお願いね」
「そんな君には二番煎じを注いであげよう」
穏やかな店内。だがお茶を飲む霊夢の表情には明らかな疲労の色が見てとれる。
それを知ってか知らずかの霖之助の対応で、霊夢はずいぶんと癒されたようであった。

「近頃は忙しくって。ふぅ」
文字通り一息をつく霊夢。
霖之助が自分のために出しておいた食べかけの煎餅も、当然のように齧っている。

「いい事じゃないか。巫女が頼られるということは、それだけ信仰が集まるのだし」
「うーん……妖怪がらみじゃなければ、それもいいかなって思うんだけど」
「というと、異変かい?」
「異変っていう程の物でもないあたりがまた微妙なのよね。どうも人里から離れた所を、
好き勝手にうろついてる迷惑な妖怪がいるみたいなのよ」

興味深そうにそれを聞く霖之助は、里から離れたと言われ眼鏡を指で押し上げた。
人里から離れた場所に店を構えている霖之助にとって、それは他人事ではない。

「ふむ。僕にできるのは、普段より早く店を閉めて備えるくらいかな……」
「霖之助さん。気休めでよければ、お手軽な魔除けをしておいてあげるけど?」
「無いよりはよほどありがたい」
「これから紅魔館の方へ向かうから本格的なのは無理なのよね」

珍しくあっちも手伝ってくれるみたいだし、と霊夢が付け加えて立ち上がる。
手際よく札を貼りまじないの文言を唱えていく様は、まさに巫女であった。

「それじゃあ行ってくるわね霖之助さん」
「怪我をしないようにね」
「大丈夫よ。また後で、様子を見にくるわ」
「ああ。それじゃ、いってらっしゃい」




そして、日が暮れた。

「やれやれ。明日には解決していると嬉しいんだけどね」

翌朝にはまた何か違った結果を聞けるだろう、と考えながら
霖之助は日が落ちると早々に雨戸まで閉めて横になっていた。

だが、どれだけかの時がたったあと霖之助は戸をたたく音で目を覚ました。
小刻みにかすかに聞こえていた音は、やがて明確に、強くなっていった。
霖之助は昼間に霊夢から聞いた話から幾つか想像を巡らせて、起き上がる。
そして、ゆっくりと立てかけておいた棒に手をかけ、外に呼びかけた。

「こんな夜分に何の用か知りませんが、日を改めてお越しください」

すると外からギシギシと軋む音が聞こえて霖之助は身構えた。
霖之助が相手の笑い声だと判るのは、横の壁を破って飛び込んできた時であった。
後ろに下がり、相手の攻撃をかわす霖之助ではあるが、いかんせん場所に乏しい。
次第に壁際まで追い詰められてしまう。

「くっ……仕方ない。使いたくなかったが」

霖之助は懐の小刀を妖怪へ投げつけて隙を作ると、寝所へと飛び込んだ。
そして床の間に飾っておいてある刀を抜き放ち、構える。

「こういうのは得意じゃないし柄でもないんだけどね……」

呼吸を整え、背後から追いかけてくる妖怪へ向き直り、そのまま突き立てた。
妖怪は耳障りな声を上げて逃げていく。ただごとではない叫び声だ。

「さすが神器級となれば、ああもなるか。後の手入れが面倒だが……」

直後、妖怪を追ってきた霊夢によって退治され霖之助は事なきをえた。
霖之助を気遣い、無事を喜ぶ霊夢に、霖之助は苦笑しながらお茶を振舞った。
問題は山積していても、生きている限りどうとでもなるのもまた、世の常である。
幻想郷は厳しく、時として残酷で醜いが、どこか暖かい。






……そういうことで、私の巫女としての役目はこれで果たされた。
霖之助さんを狙った妖怪は完璧に退治され、いつも通りの日常に戻る。
ここ以外の場所からゆっくりと、こちら側へと妖怪を誘導したのも
入り口の結界を強固にしておいて、逆に逃げ場を減らしておいたのも
霖之助さんを襲わせて、殺させるために他ならなかった。

これは、私なりの平坦化の方法。死んでしまえば記憶だけの存在になる。
博麗の巫女は誰かに価値をつけるような事は許されない。
だけど一人の女の子としても、博麗の巫女としても、霖之助さんの存在は
時間が経てばたつほど大きくなっていってしまう。
『巫女』の無慈悲さと『私』の曖昧さを、霖之助さんは受け入れてくれる。

中立を保てない。このままでは霖之助さんに寄りかかってしまう。
道具も、服も、安らげる空間も、全部を預けてしまいそうになる。
巫女の私がそれを許さない。私はそれを許さない『巫女』の私を許したくない。

「危なかったよ。霊夢には大きな借りができてしまったな」
「様子を見にきたのよ」

そう。生きてるか死んでいるか。私はその様子を見に来たのだ。

「……本当に、無事に生きててよかったわ。霖之助さん」
「君はいつもどおり、当然のように無事そうで何よりだよ」
「当然よ。だって私は、博麗の巫女だもの」

私の心が、巫女であるということなんてどうでもよくなるくらい
それくらい真っ直ぐ、愚かに、おかしくなったとしたら、

その日はきっと、博麗霊夢の命日になるに違いない。


やってしまった
昨夜のチャットは気がついたら追い出されて戻れないので諦めました。
きっと、ケモノよけの結界あたりが発動したのでしょう。
参加している皆様おつかれさまでした。上手な絵でした…



▼拍手返信
>フヒヒwwwwwリクエストあざーすwwwww やはり幽香は最高ですね
リクエストしてくれたお方ですか。気に入ってくれたら幸いです。


>霖之助のやさしさに惚れたリグルが………おっとこれはBLかwww
そういう方向で、ゆくゆくは妖忌様も取り扱う可能性もあr……今の所、無いですね。

>ゆうかりん最強www あとリグルんの一人称は「ボク」じゃないんだZE
どれどれ……

確認不足の結果がこれ


どう見ても『私』です。本当にありがとうございました。(修正します


>[年中無休で咲かせ続け…あぁ、ソーユーイミカ。…アリだな。
はからずとも (そこまでよ!) ということですね。
ここまで至るきっかけは誰も知らず
リクエストに答えてみたシリーズ『幽香』
できれば甘く、とのことでしたが私が試みると、砂糖と塩を間違えた惨劇が。
そして勝手に霖之助と絡めてみる。そしておまけにリグルを出してみる。
やったらハイテンション。甘く思えてくれると大変嬉しいのですが……



///////////////////////



ある朝、起きたら、店の前が花畑になっていた。

「理解ができなかった。昨夜まで外は普通の地面だった筈だ。
裏口から飛び出して命をつなぐささやかな畑に走る。豊作だ。
豊作?意味がわからない。収穫までまだずいぶんと時期があるはずだ。
というか花畑になるという悪質きわまる悪戯の根拠が良くわからない。

――って、貴方の顔に書いてあるわよ」
「壮大な説明をどうもありがとう風見幽香くん。そこまで推測できるなら是非とも戻していただけると大変ありがたいのだが!精神衛生と!土壌に!良く!ないから!」

僕は犯人の風見幽香、自他共に認めるフラワーマスターに身振り手振りも交えて懇願した。
冗談じゃない。僕の静かで穏やかでつつましい生活に花畑は似合わない。
これでは色々と台無しになってしまう、と。

「大丈夫よ?土壌は改良しておいてたから」

二毛作だろうと三毛作だろうとバッチリね♪とウインクまでつけて返される。
その素敵な笑顔に僕の心臓はさっきから早鐘を打ち続けている。心労で。
僕の精神衛生というものは恐らく、というか明らかに全力で後回しにされたようだった。

「これじゃ客が寄り付かないよ。というか周囲の光景をごらん?明らかに浮いている」
「いつもお客は来ないじゃない。周囲の光景?ああん、ごめんなさい。鬱陶しい木々より、背の高いヒマワリよね!さっすがわかってるじゃない。ナイス提案よ!」
「元に戻せ」
「そうね、そうよね。黄色だけじゃ面白くないし、高さが足りないわよね。ねえ見てっ!せっかくだからプヤ・ライモンディもはやしてみたわ。高さ10m!壮大ねー」
「花が咲くのは100年後かい?というか世界最大と推定される高山植物を、こんな低地に持ってくるべきじゃないと思うんだが!」
「ねえ……私、貴方のためなら四季不問、年中無休で咲かせ続けたっていいわ……」

頬をほんのり桜色に染め、こちらを上目遣いで伺いながらとんでもない事を言ってのける。
一瞬ときめいた自分の中の『男』が許せない。理性で本能を克服せずして何が一人前か。
そう自分に言い聞かせてときめきは封殺する。心意を律さずして八卦は扱えない。
というか年中無休って。

「その気持ちはありがたく受け取るよ。気持ちだけ。だから、元に戻して!」
「そう?残念ね。気に入ってくれると思ったのに」
「ひまわりだけじゃなくて、全部ね」

そんな、と悲鳴をあげ、自分で自分を抱きしめるような格好を取る幽香。
はらはらと涙を流して力なく地面に膝をつく。

「酷い。私を弄んだのね!君と花畑で暮らせたらなぁ、って言ってた気がしたのに!」
「曖昧な記憶で僕の店の前を花畑に!?というか嘘泣きはもう少し上手にやりたまえ」
「そこで抱きしめるくらいできれば満点よ」
「戻せというに。畑以外」

ざわざわと蠢く草花が、いずこかへと姿を消していく。
恐るべしフラワーマスター。最強を自称するだけはある。
強いはずだ。彼女は自身の力で、自分自身の領域を創造できるのだから。

「で、どうしてこんなことをしたんだい」

ざぶざぶと井戸水で収穫した野菜を洗いながら僕は質問していた。
新鮮な夏野菜だ。きっと美味しいに違いない。

「貴方を困らせたかったから」
「どっちが酷いんだ?」

思わず野菜を投げつけてやろうと思ったが、投げつけたら野菜が報復してくるだろう。
アタック・オブ・ザ・キラーキューカンバー。三文芝居もいいところだ。

「まあいい。朝食をとるから帰ってくれ」
「あら、一緒に食べてくれないの?」
「一人分しか収穫してないんでね」
「活きのいい妖怪を緊縛して食卓の上に置いておいたんだけど……可哀想なリグル」
「開放しなさい。今すぐ。ナウ。」
「開放してほしければ食卓を共にするのです。要求が受け入れられない場合……」
「わかった受け入れよう」
「食卓の上の彼女の衣服を――あら嬉しい。朝食に誘ってくれるのね♪」

衣服をどうするのか想像に難しくはないが、聞きたくもない。
そんなところを某天狗に抑えられたら店は巫女や魔法使いにより破壊され僕は死亡。
三途の川を死神にエスコートされて裁判でとりあえず有罪にされるのは間違いない。

「あ、あの、私、私は……」
「ああ君も不幸だったね。怖い思いをさせてすまなかった」
「『誰にも喋られたくなければ僕の言うとおりにするんだ』そういって霖之助は……」
「君は何をワケのわからないことを言ってるんだ?はい、もう大丈夫。気をつけてお帰り」
「何よ、つれないわねえ」

その後、自分が転生して店を経営。妖しい隙間産業のやりて女性経営者の助けを得る。
だがやがて略奪にあって利益が赤字に転落したあたりで妄想を中止。
しかたがないので僕は現実と闘うことにした。

「……食べたら帰るんだよ」
「はいはい……あ、ご飯よそってあげるわ。発芽させた玄米、混ぜておいたから」
「させるな!混ぜるな!」
「意外といけるわよ。ほら、あーん」
「む…………なっ、普通に食べられるだと!」
「ふふん。まだまだ無知ね」



先生……静かな暮らしが、したいです……
だが脳内の霧雨師匠は在りし日の姿で『諦めろ』と冷たい一言を浴びせてきた。

これで花畑もそのままだというのだから酷い話なのだが
魔理沙がマスタースパークでなぎ払ってくれた。ありがたいありがたい。



end
求めよ、されば与えられん
修正前についた1つの拍手と、見てくれた方に深く感謝いたします。

リクエストに答えてみた『紫霖』の加筆修正です。
行動すれば何かがあるかもね、というお話になりました。
いつも霖之助の視点なので、たまには…ということで紫視点のつもりです。
あくまで、つもりです。あの得体の知れなさは文章にできません。


////////////////////

咲いた花が散り、しおれた花びらが舞いながら、新緑が垣間見える頃、
いつものように空間を繋げ、私は彼の店の前へと降り立った。
この店は心地よい。外の世界で失われたものの幾つかが、ここに辿り着いている。
外の世界にだってあるところにはあるし、ないところにはない。

この店に置いてある道具はどれも不用品ばかり。
行き場を失い、死に場所にすら不自由している。
そして、どれもが不純さを抱えている。

「生き物は死ねば無数の構成要素を幻想郷に還元していける。
だけど、壊れたファンヒーターが何を還元していけるというのかしら……」

私の見つめる先……店の裏手は、ようやく死ねた道具たちの埋葬所となっていた
死んでいる。どれもが、棺桶の釘のように死んでいる。
その数は、ここ数十年で明らかに増える一方だった。
ここにあるのは、その中でほんの一握りでしかない。


「ごきげんよう」
「いらっしゃ……やあ、珍しいですね」
「音を立てて店に入るのがですか?」
「はは、そういうわけではないですが」

店主である森近霖之助は私に対して、無理に笑って見せた。
誤魔化しているつもりなのだろうけど本当に判りやすい。
私はそんな彼が微笑ましいので、にっこり微笑んであげる。

「……今日はどのようなご用件で」

目をそらしたので、そっと視界の片隅に入るように回り込んであげる。
無視するに無視できない範囲で立っていると、チラチラとこちらを伺ってきた。
ああもう。我が家のお稲荷様も、これくらい可愛げがあるといいのだけど。

「裏手にあるもの」
「……を、どうなさりたいのですか?」
「いえ、別に」

どうにかしたいのは貴方でしょう、とは言わず、窓の外を見てじっと待つ。
もっと具体的に言えば、窓の反射で彼が逡巡しているのを眺めて。

「……どうにか処分したいのですが」
「はい、何とかしておきましたよ」

ようやく折れた。そろそろ飽きてきたので手早く片をつける。
コップを傾けて水を零すように。
手を伸ばして彼に触れる方が、よほど難しい。
1メートルもないこの距離を那由他より遠く感じる。

くだらない、と自分でも思う。
境界を自由に操れる私が、この境界を操作せずにいる。
だけど、くだらないものほど楽しいものだ。
幾重も理由を陳列すればもっともらしい説明もつくけれど
こういう時は、嫌なものは嫌、好きなものは好き、というに尽きる。

「さて、では提案があるのですが――」
「対価ですね。何ですか?」
「提案ですわ。散歩に行きませんか?」

つまり、私は好きでこうしている。



答えを聞かず、振り返らず、歩きやすそうな道をゆっくりと歩く。
数分もたたずに彼は私へ追いついてきた。とりあえずついてきたのだろう。
店の中からそのまま外へ出た、といった様子。

「いい天気ですね」
「そう、ですね」

それから、しばらく歩いた。目的があって歩いていたのではなくて
歩くのが目的なので、途中に何があっても構わない。

「……おや、髪の毛に何か」
「あら」

彼の手が髪に触れた。
行き場の無いファンヒーターを片付けたからこそ、こうなった。
作為は無い。無いけど、何か起こる。とても、無何有の郷らしい。


彼の肩越しに見えた、こちらを見て進路が滅裂になってる彼女らを含めて、ね。

ソードワールド2.0
試しに遊んでみようとおもいルールブックを見る。

…タビット(うさぎ)がかわいい。
ガクガクうさうさ というのがしばらく身内の流行語になりそうです。



プロフィール

ぽんこつたぬき

Author:ぽんこつたぬき
春が来たら冬眠から覚める獣。
リンク、転載は許可無しでも可。

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東方タグを押すと楽です。

twitter -> ponkotsutanuki



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