未確認歩行物体
東方香霖堂などが好きなケダモノの住処
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ボルナレフ的な何か
『あ、ありのまま今起こったことを話すぜ。
サンクリとコミック1に遊びに行ったけど、特に何も買ってなかった。
な、何をいってるのかわからねーと思うが俺も何をしていたのかわからなかった…
(小銭の重さ的な意味で)サイフがどうにかなりそうだった……
カタログすら当日購入とか、別件で忙しいとか、そういうチャチなもんじゃあ断じてねぇ
もっと恐ろしいもの(チェック漏れと手伝い)の片鱗を味わったぜ……』


と、ポルナレフ化してました。気づいたら、じきに5月なんですもの。


▼リンクを追加してみました
せっかくの黄金週間ということで、調子にのって色々追加です。
せめて私の所にリンクしていただいてる方には相互であれたらいいなとは思うのですが……
数が多い上に有名どころなので詳細説明は略し、ざっと列挙すると…


(敬称略)
・植木投げの法
・おのものおき
・黒百合の呪い
・篠崎一人
・チェねずみ
・東空落星
・文月の日記帳


となっております。私のところへ来る方々は間違いなくご存知のハズ。
何も変化がないとアレなので、自発的に貼りに言ってみた所存。



▼以下、拍手返信

>『紫×霖×幽々子』のリクに答えてもらいありがとうございます
>正直、むちゃぶりしたと思ってたのに・・・
>面白く調理していただいて、感謝の極みです

リクエストした方に拝見していただけると、こちらも書いた甲斐もあったというものです。
しかし、無茶振りだったとは……いや確かに普段と勝手が違うのでビックリしましたが。
これからも気が向いたら覗きに来てくださいませ。


>紫と幽と霖のSS、文学的面でも大変面白かったです。
最近よく書いてた一人称ではなく、三人称視点で書いた(気がする)ので
また違った雰囲気が上手く出たのかもしれませんね。
文学というほど高尚なものでは無い気はします。何せ、二次創作ですし。

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揺れる振り子に自覚なし

リクエストで答えてみたシリーズ『紫×霖×幽々子』

「最近、白玉楼によく出向いているそうですわね」
八雲紫がそう言ったのは、穏やかな昼下がりに突然現れてのことだった。
霖之助にとって紫が突然現れるのはいつものことなので、ただ
「そうだよ」
と答える他は無い。
「不思議ですよね。あの子、今まで買い物するなんて滅多に無かったのに」
窓の外を眺めながら話す紫の表情を、霖之助は伺うことが出来ない。
「そうなのか」
とだけ返して、そっと手元のお茶を飲んで、それっきり話すことも無かった。
何の用事かを尋ねようと思った時には、店から八雲紫の存在は店には無い。
そういうものだと霖之助は心得ている。


「近頃はよく、香霖堂に紫が尋ねてくるそうですね」
別の日に、西行寺幽々子がそういったのは、白玉楼の縁側でのことだった。
霖之助にとって、それは別にいつものことなので、ただ
「そうかもしれませんね」
と答えた。
「ご存知ですか?彼女が、自分から誰かに関わるのって、すごく珍しいんですよ」
背を向け、空を見上げながらそう話す幽々子の表情を、霖之助は伺うことなんてできない。
「彼女にとって無視できない道具があるからでしょう」
とだけ返して、霖之助は頼まれていた、どうでもよさそうな道具を妖夢に手渡した。

こんな道具を何に使うのかと、霖之助はお使いに来た妖夢に聞いたこともあった。だが
「何も言わずに、どうか店主殿が届けにきてください」
と言われてしまったので、それ以来、霖之助は深く追求するようなことはしないままだ。


別の日の夕飯時に、八雲紫が香霖堂へ鍋を持って現れた。
普段持ってるものといえばせいぜい傘だと相場が決まっていたので、
これには店主の霖之助も、はてなと首をかしげながら
「その鍋はなんですか」
と尋ねた。
八雲紫はなんでもないように
「使いの者が夕飯を作りすぎてしまったので」
と言ってのけたあげく、せっかくなので味の感想を教えてくれと言ってきた。
霖之助は紫の考えなんて理解できないと思っているので素直に答える。
「ものすごく美味しいです」
あなたはあやしいです、とは口が裂けても言わないのは、さすがだった。

八雲紫は霖之助が全部食べ終わるのを見て満足したようで
にっこり笑って帰っていった。
それは普段の妖しい微笑とはどこか違っていたような気がした霖之助は
その笑顔が可愛いと思いながらも、だからこそ妖しいなとだけ思っていた。


それとは別の日の夕暮れ、白玉楼で霖之助は幽々子に晩御飯をご馳走になっていた。
というのも、いつものように道具を届けた折に、幽々子と食事の話題になった時、
「そういえばこの前に、八雲紫が持ってきたおかずは、驚くような美味しさでした」
などと霖之助が答えたところ、幽々子が
「白玉楼の食事もぜひ味わっていってください」
と言ったからだ。
霖之助が答えたときに、幽々子が着物の袖口を握っていたことを、霖之助は知らない。
ただ霖之助は、無碍に断るのも悪いと思ったので幽々子の提案を受けることにしたのだ。

「よろしければ、こちらのお酒もどうぞ」
幽々子が勧めてくるお酒がたいそう美味しかったので、霖之助は何杯か口にした。
だが美味しい上によく回るお酒だったようで、すっかりと酔いつぶれてしまった。
「あらあら。使いの者に寝床を用意させますので、どうか泊まっていってくださいな」
霖之助は申し訳ない気持ちで一杯だったが、歩けそうに無いのでそのまま一泊した。


それとはさらに別の日、香霖堂で霖之助はうたたねをしていた。
穏やかな日差し、木々を撫で、ここちよい音を奏でて吹いてくるそよ風。
椅子にゆっくりと体を預けながら、霖之助は夢と現の境界をたゆたっていた。
「眼鏡、はずしたほうがいいですよ」
なぜか霖之助は八雲紫に口付けされる夢を見た気がした。
卓上に丁寧に畳まれて置かれた眼鏡をかけながら、変な夢を見たな、とぼんやり考えた。
だけと、たまにはそういう夢もいいなと思った霖之助は、それ以上考えることはなかった。


ある日、香霖堂に現れた八雲紫は、いつもどおり妖しい笑みを浮かべながらこう言った。
「幽々子って、すごくいい子なのよ。だけど寂しがりやなの」
霖之助は、そうだねと頷いた。

ある日、白玉楼で、西行寺幽々子は、いつもどおりぼんやりとしながらこう言った
「紫ってば、ああ見えて意外と純粋で真っ直ぐなところがあるんですよ」
霖之助は、そうなのかもしれないね、と頷いた。


藍や妖夢は、そんな霖之助をこっそり見ては、ただ、ため息ばかりついている。
朴念仁め、と心の中で呪詛を吐きながら、ただ、ため息ばかりが出るのだった。




「はくしょん! ……誰かの噂か?」


おしまい
自分で決めた分類法
タグで管理してるので、更新ついでに分離させました。
リクエストへ答えてみたシリーズ?1つめ。『レミ霖』へのレスです。
拍手や感想をいただけると、大変嬉しいです。カリスマが足りないという苦情は好評受付中。

拍手返信と、ちょっと置き方とレイアウトと、指摘のあった誤字を変更。


>後でこーりんどーに来そうなレミリア様
>そこらへんにあった香水をあげればきっと好感度があがるに違いない
好感度が上がると紅魔館ルートに突入。隠しキャラはフランドールと子悪魔です。
……と、いうたわごと。


>お嬢様が可愛いすぎる!
サドッ気というか傍若無人さのあるお嬢様を目指したので可愛く見えるのは予想外!

>ナイスレミ霖!レミリア可愛いよレミリアw楽しませて頂きました~
>まぁ自分がリクエストしたんじゃないんですけどw(ロキ
楽しんでいただけたなら何よりです。リクエストを受けるって新鮮ですね


>レミリアは中身も見た目通りのガk…ゲフンゲフン、我侭な子供の性格らしいですから実際に
>こういう会話になりそうですね。是非この後レミリアが香霖堂に乗り込むところも見てみたいです
なるべくご期待にこたえられるよう頑張ります。お嬢様、昼間は猫をかぶってそうです。

>フラグが立った!なんか続きそうな感じなんで続きを期待させていただきます byドルルン
なんということでしょう。2人目の期待レス。おそるべしお嬢様のカリスマ。
魚がそうであるように
リクエストで答えてみたシリーズ『レミ霖』

概ねの人や一部の妖怪がぐっすりと眠り、一部の人間や大半の妖怪が起きる頃。
僕は八雲紫プロデュースの嫌疑もある壮大な星空を眺め、そっと釣竿を取り出した。
この釣竿は少し昔に、何本かが気づいたら僕の手元にあったというものだ。
おそらく外では釣りが少し廃れてきているのだろう。

夜なので油断は出来ないが、それでも歩きなれた道なのでスタスタと進んでいく。
途中で妖怪を見かけることもあったが、そういう時は迂回すれば問題はない。
誰しもが生存競争に全てを傾ける時代は確実に終わりを告げている。
もっとも僕の場合、これからその生存競争の一環を行うのだけど。

釣り。
それは餌、あるいはそれに相当する何かを持ちて魚を捕獲するということ。
魚と僕の間で行われる生存競争であることは、まず間違いない。



「ふ、ふふ……」

僕は溢れる笑いをこらえきれず、2匹目の魚を魚篭(びく)に放り込む。
理屈の通じるはずの人間や妖怪相手には上手くいかないが、魚相手だと具合が良い。
もちろん、この湖に魚が潤沢にいるのだという前提ではあるが、それでもだ。
常日頃からままならないことだらけなのだ。きちんとした手順で、きちんとした
やりとりが行え、その結果として何かを手に入れたり手に入らなかったりするのは
やはり面白いものだった。

「これをどうしてくれよう。焼くか、煮るか、外に干しておくのもいいか?いや……」
「拷問の算段?魚泥棒の上に嗜虐趣味とは大したものね」

耳元でぽそりと話しかけられ、僕は声にならない声を上げた。
パニックの最中でも魚が逃げ出さないようにしたのは我ながらいい判断だったと思う。

「誰だ……って君は確か」
「無礼な店主ね。この顔を忘れるなんて失礼にも程があるわ」

そういうが、別段激怒しているわけでもなく、ちょっと不満といった程度か。
闇の中で彼女の爛々と輝く瞳と翼はその存在感をハッキリと示している。
彼女はつくづくヴァンパイアなのだ。

「いや、そんなつもりは無かったんだが、つい」
「主語をおっしゃい」
「もちろん顔を見間違えた方だ」
「……50点ね」

ああそうかい、と言ってとりあえず糸を巻き戻した。リールという部品は優秀だ。
しかしこのレミリア・スカーレット、他に何を不満に思うというのだろう。

「他に何かあったか?」
「それよ。それ!」

彼女は釣竿と、引き上げた魚篭をビシッと指差した。
何とも不思議な立ち方をするが、どこかサマになっているのは吸血鬼だからか。

「ああ、君も釣りがしたかったのか。それならほら……」
「そう釣りがしたかった……って、違う!バカな男ね!」
「ぐあっ」

鋭く足を蹴られた。打ち所が悪かったのか、けっこう痛い。
そのまま胸倉までつかまれる……が、身長差のせいで上手くつかめてない。
仕方が無いのでしゃがんで胸倉をつかませて上げる。

「道具屋を営む傍らで魚泥棒なんていい度胸だわ」
「勝手に魚を取ったことは謝るが、なんで館の主がわざわざ出てくるんだい?」
「あら、泥棒の分際で口答え?盗人猛々しいとはこのことかしら。ふふん」

見上げられる形になって満足げ、お説教してるのでさらに上機嫌という所か。
これで館の主だというのだから信じられない。早く説教に飽きてくれることを切に願う。

「ところで、いつもの従者がいないようだけど」
「あらダメよ?話を誤魔化しちゃ」

頬に爪を立てられる。痛い。昼間とはうってかわって暴力的だ。
もの静かなお嬢様だと思ってはいなかったが、これほどまでとは思わなかった。

咲夜さんは何をしているのだろう?監督責任をしっかりはたして欲しい。
彼女の方が立場が下だった気がするが、そんな肩書きはどうでもいい。
このやんちゃなお嬢様をどうにかしてくれさえすれば。

「じゃあ話を戻すが、何で魚2匹でこんな目にあわなきゃいけないんだ」
「退屈してたら魚泥棒にでくわすんだもの、見逃すわけにいかないじゃない」
「どうすれば見逃してくれるんだ?」
「ねえ?見逃すわけにいかない、と言ったの。理解できないの?」
「あぐっ。いたたた」

立てた爪が食い込んだ。頬を何かが流れる感覚からして、どうも切れたようだ。
どうして食料調達を兼ねた趣味なのにこんな目に会うのか、と自らの運命を呪った。
これで目をつけられてしまっては、せっかくの穴場を諦めなければいけない。

「二度と釣りに来なければいいのか?」
「別にそこまで言うつもりは無いわよ。だけど罪には罰を与えなきゃね」
「もう十分なんだが……そうだ、魚を半分あげるから釣る許可をくれないか?」
「許可?」
「そう、許可だ。僕が一番困るのは、魚を持って帰れないことだからね。
 君がここ周辺の主として広く大きな心で許してくれれば何の憂いも無い」
「つまりは従属?」
「単なる取引だ」

その言葉が気に食わなかったのか、レミリアは半眼になりながら顔を近づけてくる。
そして、その吐息すら肌で感じる距離で僕を睨みながらこういった。

「立場ってものが理解できてないのかしら?貴方は今、そこの魚と一緒なのよ。
 貴方がこれからどうなるかは、貴方が決めることじゃないの。決定者は私。
 魚が料理される方法を選べないように貴方は私に何をされても仕方が無いの。
 それくらいわかるでしょう?よくわからない道具を扱うくらいの知恵はあるのだから」

つまり言うとおりにしろ、というわけだと理解し、僕も流石に一矢報いたくなった。

「では僭越ながら申し上げますが……魚だって油断すると逃げるんだ」

そのまま立ち上がる。
さっきまでしゃがんでいたので、一気に立ち上がれば彼女は体制を崩すのだ。

「え――きゃっ」

が、立ち上がった拍子に彼女が後ろに転ばないように支えておいた。
万が一怪我でもさせようものなら本当に殺されかねないし、ここで湖に放り投げても
後でお礼参りにやってくるであろう従者が怖いので、どうしようもないのだが。

「こんな具合にね……で、手を離しても?」
「は、早く離しなさい!離せ!」
「はい、よっこらせ。意外と軽いですね。では帰らせていただきます。ごきげんよう」
「あ……」

一方的にまくし立てて、体重の話題という嫌味も混ぜつつ足早に道具と魚を持って去る。
茂みにまで入ると、もう振り返らず、ただ耳はそばだてて家まで全力で疾走した。
まったく、とんだ災難だ。魚2匹にしてはとんでもない対価だ。





――残されたレミリア・スカーレットは爪を噛んで逃げられたことを悔しがった。
退屈しのぎに軽く運命を操作してみたが、その結果はかなり散々なものだったからだ。

ふと、苛立ち紛れに爪を噛んだ折、ふと自分の指に付着した獲物の血に気づいた。
そっと舐めてみる。忘れがたい味。突き放して逃げることも出来たのに、支えた男。
支えるだけ支え、何の力も、道具も用いずに口先だけで誤魔化して悠々と立ち去られた。
情けをかけられた。この言葉にしがたき感情、我が手で鎮めずして何が夜の王であろうか。

「……おぼえてらっしゃい」

支えられた感覚が残る自分の体をそっと抑え、レミリアは館へと踵を返した。
どうやってあの店主に報いるかで、頭が一杯になったのだ。
その口元に浮かんだ微笑が、どういう理由で出てきたものか、まだ、誰も判らない。
リクエスト受付終了

0件だったら悲しいな、と思ってたら以下のようなリクエストが拍手コメで届いてました。
送ったのに届いてないよ、という人は再送したりしてくれればいいと思います。

▼集計結果

レミ霖
紫×霖×幽々子
紫霖
幽香×霖之助
鈴蘭畑の話
そしてヤンデレ

などというリクエストがありました。
頑張って近日中に、ご要望に答えてみたいと思います。



何となくですが
リクエストというのを、受け付けてみたくなったのです。
どれほど反響があるのかサッパリわかりませんが……

リクエスト方法は、コメントでも拍手でもメールフォームでも、ご随意に。
電波を送りました!などといわれた場合、
申し訳ないのですがたぬきの身では受信できません。
悪しからず。


他所さまに触発されたのですよ。
とかく、この世は住みにくい
最近、化けてる私の方が人間らしくみえてしまうくらい無礼な人間が増えたようで。
良く知る人間が、なげいておりました。
ああ、ひょっとして、そういう人ってご同輩?ケダモノが化けている類でしょうか。
気をつけないといけませんね。バレないように。


さらっとリンクからリンクへと、グラスホッパー的な見学をしてましたが
どうもリクエストが来る所なんかもあるみたいですね。
そういうのはいいですね。


>家も大抵停滞したりしますからねぇ…お互い頑張りましょうbyドルルン
ありがとうございます、ドルルンさん。頑張っていきたいと思います。
振り向けば死

春。
桜ばかりが目に入るかと思えば、少し見る場所を変えれば色とりどりの花。
花。花花花花。そう、ここは花畑。

それは迂闊な行動だった。いつもの場所以外に一歩踏み出した僕の招いた失敗だった。
たまには見たことの無い場所へと出かけようと思い立ったのが、そもそも間違いだった。
いや、正解だったのか。もうわからない。僕は今、一面の花畑を抜けるべく歩いている。
さっきから同じ所を何度か回っている気がする。というか、回っていた。

つまり、迷ったのだ。花畑で。

歩けど歩けど、来た道へ戻ることができない。
戻りたくても、どこから来たのか判らない。
意思があればどこにだって行ける。戻れるかどうかはさておいて。


とにかく真っ直ぐに歩くことにする。遠くを目標に、一定の調子で歩く。
背の高い草花が無いことが、どこぞの竹林よりはマシなのかもしれない。

山の中に道具が落ちているのを期待してたわけではない。
マヨヒガのようなものがそうそうあるわけでもないのだ。

「こんにちは」

だいぶ目標に近づけた実感を掴んだところで、背後から女性の声が聞こえた。
僕は振り返って声の主を見る。助かった、と思った反面、いやな予感もしていた。
どちらかといえば、こんな人里は慣れた場所で見かける存在は人外のことが多いからだ。

周りを見るが僕以外誰も居ない。穏やかな日差しが降り注ぐ花畑で、僕と彼女は二人きり。
それは傍から見れば素敵な光景なのかもしれない。美しい一瞬と言ってもいい。
だけどそれは、ここではないどこかの話だ。幻想郷の花畑で浸っていい夢じゃない。

「こんにちは」

まっすぐこちらを見る彼女の瞳で、ようやく僕の頭は普通の思考まで引っ張り戻される。
さっきから普段見ない色を見続けていたので、彼女が花畑に溶け込んでるように見えた。
あるいは巨大な花が話しかけてきたのだと勘違いしそうになってしまった。
よくみれば、近い色の服を来て傘をさしているだけだ。僕は自分の錯覚を恥じた。

「僕……か?」
「他に誰もいないわよ、私の花畑の中にはね」

それで察した。
彼女は確認しに来たのだ。自分の領域に踏み込んだ者が何者なのかを。

「すまない。勝手に入るつもりは無かったんだ。花に見とれていたら……」
「だったら遠くを見るんじゃなくて、花を見ているべきだわ」

意地悪そうに笑う。彼女はわかって言っているのだろう。
この花畑がただ咲いているのではなく、何らかの力を持っているということに。
あるいは彼女こそが、そうしている張本人なのかもしれない。

「堪能したから帰ろうとしたら迷ったんだよ。それに花はもう十分だ」
「そう?年中昼夜、四季の日々うつろう花は飽きないと思うんだけど」
「花は綺麗だったけど何事も適度さが必要だ。おかげで君まで花に見えた」

目が慣れてくればそうでもないのだが、さっきの自分の目にはかなり堪えた。
日ごろが薄暗い室内で、色あせた道具に囲まれている反動もあるのだろうが。

「……これって今、口説かれてるのかしら。うん。春ね!」
「君は何を言っているんだ」
「その度胸は買ったげる。あ、ここで肥料になってく?」

不適に笑う彼女に僕は丁重にお断りをいれ、人里の方向を教えてもらった。
僕は古道具屋であって、喧嘩やその他の面倒ごとを売るつもりも買うつもりもない。

「風見幽香」
「何?」
「私の名前よ。この花畑の主にして最強の妖怪。死ぬまで覚えなさい?」
「無事に帰れたら検討しよう」
「無事に帰れなきゃ肥料になるからね」

直後、彼女の周囲の景色が揺らいだ。
いや正確には『景色の大半を占めるもの』が動いたのだ。

「……これは、花が!?」
「せっかく来たんだから、このフラワーマスターの生み出す景色――」

直感的に後ろに跳躍。そのまま体を捻り、前を向いて走る。

「堪能していくといいわ!」

直後、僕のいた場所へ綺麗な白い花が殺到した。
気づけば周囲の花が、何本もの花が、僕へ向かって伸びてくる。襲い掛かってくる。

花に意識を向けなかったことは何度だってある。踏み潰したこともある。
飾ったこともあるし、育てたこともある。匂いを嗅ぐこともあった。贈ったこともある。

「ほらほら、頑張って走るのよー」

だが、花に対して恐怖を抱いたのは、これが始めてだ。

そして花畑の果てまで走った時、果てで彼女は待っていた。

「はいお疲れ様。そういえば、まだ名前聞いてなかったわ」
「……もりちか……りんのすけ……」
「そ。じゃあね霖之助。また来てもいいわよ」

恨めしい視線を送りつけて、答えることなく店まで戻る。
今日一日でずいぶんと歩いた気がしたが、意外とそうでもなかったようだ。

姿鏡で自分を見たら、泥だらけならぬ花だらけ。
風呂に浸かろうと服を抜いたとき、そっと1本、懐から花が落ちてきた。
青紫のかわいらしい花。
あれだけの目にあったのでどうにも捨てる気になれない。
売り物の中にあった使われない花瓶に、そっと生けておく。

もし香霖堂を訪れる客が花に詳しければ、気づくこともあるだろう。
そっと卓上の隅に飾られた、勿忘草に。


翌日、それを見た少女たちがその花について熱く語っていた。
何でも勿忘草という花だそうで、たいそうロマンチックな意味のあるものらしい。
僕は詳しく話すように何人かに言われたが、とても話す気にはなれなかった。

「あなたをわすれない……か」

いっそ忘れられれば、とつぶやくが、当分は花を見るたびに思い出しそうだ。
そんなことは関係ないとばかりに咲く花が、少し羨ましい。

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リンク追加
暴走妄想手帳さまです。
こんなネットという海に浮かぶ限りない孤島までありがとうございます。

最近は更新できず、心苦しい限り。
他の所は勢いあるなあ。

星を眺める
最近、何か星空がおかしい気がする。
夜空を眺めるたびに、違和感を感じる。
何かがずれている。いつか見た空ではない気がする。

「何か空がおかしい……とはいえ霊夢が動いてる気配は無いからな」
「別に異変というほどのものでもありませんわ」

半分は真実、半分は嘘なのだろう。
まったく彼女は絶妙なタイミングで現れる。

彼女は星空を背に、僕へ向かって不適に微笑んで見せた。

「新しい星座は蛇使い座といいます」


なるほど、と思いながら、そのあと暫く彼女と星を眺めていた。
星座の読み方に詳しくなっても仕方が無いのだけど
星について語る彼女の嬉しそうな感じが、どこか新鮮で聞き入ってしまった。

何か、触れてはいけない知識まで刷り込まれたような気もするが。
[READ MORE...]
更新頻度低下中
というのも、参加しているオンラインセッションと
リアルでの手続きがいい感じにクロスファイアしてくるので

東方に割く時間が少なめなのです……

春のBAN祭り
シールを集めて応募、というやつが成功したためしがありません。
ここ数日はさすがに新生活!というところでしょうか。いい感じに忙しいです。

▼以下、拍手返信と小話。

>こぁがうふふといいながらこーりんにキスしてちょうど魔理沙がやってくるのを幻視した
とても楽しそうなのでゆくゆくは書こうと思います


▼小話 「行間を読め?空白しかないよ」



「新聞でーす」
「はい、ごくろうさま」

新聞を受け取り、読む。
僕の一日のリズムは、天狗の彼女が書いた新聞を読む所から始まる。
直接あちこちに配って回るのは大したものだ。

中身はいつも通り奇抜で癖がある……が、個性的でもある。
その個性に僕は魅力を感じて購読しているわけだが、おそらくウケは悪いだろう。

僕はいくつかの新聞を読む。日付は古いが、幻想郷の外の新聞を読んだこともある。
何となく売れている新聞とそうでない新聞の違いも判る。
彼女のは売れない書き方だ。だからこそ、他の新聞では失われた輝きが見える。

そんなことを言って新聞を褒めてみたら、魔理沙には複雑な顔をされた。
霊夢には火種にちょうどいいから寄越せと持っていかれた。
八雲紫には外の新聞に検閲を入れたり勝手に持っていかれたりした。
新聞一つとっても色々な出来事があるものだ。

『"人面魚が河童に捕獲された………か?" 実は疑問文の見出しか。面白い』
時々紙面で行われるそんな遊びの記事に適度に笑いながら、僕は今日も店を空けるのだ。


違いはあるの?
「とうとう、やることが無くなってしまった」

香霖堂の中で、霖之助はいよいよ退屈極まっていた。
外は雨で、どこに行けるわけでもない。客は来ない。作る道具もない。
かといって今から何かを始めるような気にもならない。

雨音を聞きながら外を眺める。何も無い。
店を見回す。いつもと変わらない。
かといって酒を飲むような気分にもならない。
本を読む気もしない。

「本当に?」

小悪魔が囁く。
小悪魔は客ではない。小悪魔らしく、勝手にやってきて、勝手に出て行くだけだ。
だが道具を持っていくわけでも、何か邪魔をするわけでもない。

「本当にやることが無いの?」
「特に思いつかない」
「じゃあ、これからどうするの?」
「待つのさ」
「雨がやむのを?誰か来るのを?」
「……そんなところだ」

どっちを、と霖之助は答えない。
それを聞いた小悪魔は、面白そうににんまりと笑う。

「知ってますか?何かを待つ事と、何もせず過ごすことは違うんですよ」
「だから何だい」
「別に、何でもないんですけどね」

そんなわけあるか、と呟いて、霖之助は蔵の中の掃除を始める。
小悪魔はそれを見ると、もう少し面白そうに、笑うのだった。

予定調和

人の二次創作を見て何かが書きたくなり、書いた作品は二次創作?
三次創作、なのだろうか?と少し考えてみた月曜の夜。
……最初に慧音と霖之助が知り合いor幼馴染という二次設定考えた人は凄いと思います。

▼以下拍手レス

>ひと騒動 ……ゴクリ
こうすればネタに困った時……げふんげふん

>Nice 霖之助(´・ω・`)b
>Nice 霖之助
Nice霖之助。同一の方でしょうか?ありがとうございます。
今の所、こちらで首チョンパの予定はありません。番組は都合により編成を変えてお送りします。
ForestDaysという不穏な単語が浮かびましたが、忘れることにします。

流行ってるのかな、このコメント。自分も使ってみようか……。


続きを読む、で何かが読めます。
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創想話に書いた文章を
こちらにも置いておこうかと考えています。
どうも不安定なようなので、念のために。

よく考えたらデータもトラフィックも凄い量なんですよね、あそこ。
ホント、管理と運営の方には頭が下がります。


……と思ったら、どうやら夜中にはfc2がダウンしてた模様。
やっぱり"プログラム"とかいう式は大変に扱いづらいようで。

こっちにもミラーする事などに、ご意見ありましたらよろしくお願いします。

全力で空回り

「妖夢、お使いへ行ってきてちょうだい」
お饅頭をぱくりと口にほおばりながら、幽々子様そう言った。
「はい。どちらまで?菓子屋ですか?お茶はまだありますし、今晩のおかずは希望通り鶏ですよ」
「いいわね。行ってもらうのは香霖堂よ。覚えてるでしょ?」
「え~っ」
「イヤなの?ダメよ、そんなんじゃ。はい、この手紙を店主に渡してね」
「う……」


かくて手紙をひっさげて、妖夢は香霖堂へといった。
雪も消えて、いつか重労働させられた記憶はあまり思い出さずに済んだらしい。

「落ち着け……ここは自らの迷いを断ち切って依頼を完遂する!」

迷いを断つべく白楼剣を抜き放ち、扉を開け放つ妖夢。
深呼吸しても息は静まらない。ならば一気に押し切るのみだと、彼女の挙動が物語る。

「たのもう!」

息を荒げながら刀を抜き、片方の手で扉を押し開け、店内に踊りこむ。
店主は妖夢の来店に気づくが片手に湯のみ、片手に書物を持って座っていた。
一瞬で間合いをつめ、懐から手紙を抜き放って突きつけた。

「!」

対する霖之助は飛び込んできた侵入者に対して、咄嗟に飲んでいたお茶をかける。
中身はぬるく三番煎じだが、それでも妖夢は一瞬視界が奪われてうずくまった。

「へぁ、目が、目が!!あつ……くない、ぬるい……うぅー……手紙…」
「……いらっしゃい。いま手拭を持ってくるからじっとしてくれたまえ」

霖之助は手紙を受け取り自分の服でひっかかったお茶を手早く拭き取る。
続いて、急ぎ立ち上がると手早く手拭を持ってきて妖夢に手渡した。

「ほら、これで拭くといい」
「う~……ひどい……どうしてこんなことするんですか……」
「そのセリフは君にそのまま返しておこう。強盗かと思ったよ」
「う、うぅぅ……ぐすっ」

泣きたいのはこちらだ、という顔で霖之助は手紙を読んだ。
その中身は単なる注文の手紙だったのだが、彼にとっての問題はその配達人だ。
半泣きで顔や髪の毛を拭いている。隣に浮かぶ半霊はどこか居心地が悪そうだ。

「とりあえず着替えを用意するからそれに着替えるといい。洗わないとシミになる」
「そっちがやったんじゃないですかぁ……」
「先に突っ込んできたのは君だ、が、そのまま返すとこっちが悪者になるからね」
「う……はい……」
「じゃあさっさと脱ぐんだね」
「ううぅ、すぐ帰るつもりだったのに……」

その後に魔理沙や霊夢がやってきて一騒動するのだが……
霖之助は半霊と、そ知らぬ顔でお茶を飲んでいた。

もちろん、こんどは熱くて暖かい奴を。



証明
を得るのは、数学でも現実の書類でも中々面倒なものだと再認識。
いやですねえ。

いつも拍手ありがとうございます。
コメントもそうですけど、いざ表立って何か書くと、反響があるのはやはり嬉しいですね。
特にネタが無いので何か要望があればお気軽に。応えられるとは限りませんが……

▼以下拍手レス


>経過観察読みました。香霖堂がなんか素敵ですw
>ということで次は是非この香霖堂を擬人化して他のキャラとのやりとりを……w

元は某ラノベから引っ張ってきてますのでかなり卑怯なネタでした。
楽しんできただけたようなら幸いです。好評の声が多ければ検討したいです。(笑


>死神がふらっとで蛇の神様とか言ってましたが山の神社の面子はでないんですか?

神奈子様をイメージはしてますが、厳密には違うので書いていいのか困った所。

経過観察

「我ながら素晴らしいマジックアイテムが完成したぞ。これで手間が減るというものだ」

森近霖之助は数日前から、意を決して大掛かりなマジックアイテムを作成していた。
度重なるガラスの破損に見舞われた窓。穴の開いた障子に、蝶番が壊れたドア。
その全てに、一見なんでもないように見えて、魔法が刻み込まれていた。

いつもながら見事な作品だと、霖之助には感心させられる。
どうしても昼行灯な印象を持たれがちだが、
魔法の森で男一人、昼行灯で生きていけるほど甘い状況ではない。

そのマジックアイテムの腕を然るべき場所で活かせば一儲けもできように、と思う。
だが自分の存在を気にかけて、決して人里に身を置くような真似はしない。

「後はこの壊れて進入される事を前提とした『二律背反シリーズ』を設置するだけ……」

霖之助は、独り言は独り者の癖のようなものだと自嘲しているが、私はそうは思わない。
口にすることで、この店の空気は生きてくるのだ。だからこその店だと私は信じている。
音の響くことの無い空間は、その色彩を失って、ただ色あせていくだけなのだ。

霖之助が道具をあるべき場所に戻す。
戻ることで、ゆっくりとこの空間に道具が溶け込んでいく。
霖之助に認識されることの無くなった古道具たちは、そうやって時間を終えていく。
ある道具は売られていくだろう。ある道具は彼によって生まれ変わるだろう。
死んだ道具は葬られる。
死ぬこともできなかった道具たちに、それがどれだけの救いであるだろうか。
道具が単なる、物言わぬ物で留まらぬこともある幻想郷で、それは大切なように思えた。


何かが遠くから近づいてきた。魔法使いだ。
あの魔法使いがが、霖之助にまたあれこれとちょっかいを出しに来るのだ。
昔馴染みだからといえ、あまりの無遠慮さに時々唖然とすることがある。
いつぞは扉が開かないからと、蹴りで開けて無理やり進入したこともあった。

「いよっす、こーりん!」

バン、と景気良く開かれる扉。景気がよすぎて取り付けたばかりの扉が外れる。
だがそこで魔法が発動し、扉が元の位置に戻るよう、動いて戻っていった。

「な、なんだこれ?勝手に壊れて勝手に戻ったぞ?」
「ふふん。外の世界から流れてきた自動ドアなる概念を僕なりに模倣してみたんだ」
「やるなこーりん。よーし、んじゃあ試しに魔法で吹き飛ばして――」
「元は単なるドアだから、吹き飛ばしたらさすがに戻らないと思うよ」
「気合が足らないぜ」
「吹き飛ばされたらダメな程度には繊細なんだよ」

今度は巫女が飛んでくる。どうやら何か食料を持ち込んできたらしい。
きっと今日は普段よりも豪華で賑やかな食卓になるに違いない。
霖之助もまんざらではないようだ。霖之助がいいのなら、私はそれでいい。
彼の幸せこそが、私にとっての幸福なのだから。

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気づいたら
もう休みも終わりそうです。やることがあるほうが、楽といえば楽です。
こう、ブログに放り込むサイズと、プチ東方創想話ミニに放り投げる境界が掴みづらい。

…けど、とりあえず今回はプチの方に投げておきました。
よろしければご覧になってくださいませ。

折り紙折ってて思いつくというのも中々不思議な感じです。
たまには新しいことをするのもいいものですね。


▼以下拍手レス

>いえもんといえば綾鷹。あやたかといえば家紋ジェネレーター。私は楓でした。
試してみたところ、小生は栗でした。楓……カッコいいですね。
伊右衛門のおまけ
には個人的に気に入るものが多く、よく買っているのですが
今回は折り紙がついてきたので数年ぶりに折ってみました。
説明書らしきものがあるのですが、理解し辛かった……



▼以下拍手レス
>やべぇ最後のゆゆさまの独白がすごい切ない
>たしかに悲劇かもしれないけど二人が幸せならそれでいいんです
>・・・幸せですよね?

古道具屋の男は、これでいいと、これでもいいと、と思ったんだとさ。
[READ MORE...]
桜と神社
桜と神社



こんにちは、未確認飛行物体のフライング・ジャンク・タヌキです。(4/1ネタ)
何となく撮影してみた1枚。今日はいい天気でした。




続きを読む、でバトンへの回答です。こんなところまでバトンが。

[READ MORE...]
UWOからUFOへ。
私は考えた。地に這う獣が鳥を羨まぬ理由があるだろうか?
いや、無い。そういうことで私は飛ぶことにしたのだ。

後に、書物にはこう記されるであろう。


芦桐という名の神は言った。
「空を飛べ」
そうなった。


※これはジョークです。
  芦桐さんのアイディアを元に、サイトの名前を未確認飛行物体に変えていました。



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