未確認歩行物体
東方香霖堂などが好きなケダモノの住処
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目次というか目録でございます。

目次
いわゆるインデックスなわけで、登場人物ごとに表記しています。
カップリング要素等は記載していません。原則的に時系列は考慮していません。
例外的にシリーズは続いています。フォーマットが定まってないものもありますが、ご愛嬌ということで一つ。
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2010/03/25
生植木さんのように格納できた方が優しいと思ったのでパクりました。

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虫干しというか何というか
「ああ、いざ手をつけるとなると気が滅入る」

店主の霖之助は、物置の品々をゴザの上に並べる。
露天を開いているわけではない。

彼が朝に小屋から引きずりだしたのは、無縁塚で拾い集めた品だった。
小屋というからには蔵や倉庫というほど立派でもないが野ざらしよりは上等な保管場所だ。
不定期開催、割合恒例。客も少ない香霖堂ゆえ可能な、日中の選別と虫干しである。
用途がわかっても価値のつけようがないため、溜め込めば死蔵品で溢れてしまう。

この店主、売れもしない道具に埋もれて過ごすほど収集に取り付かれているわけではない。
彼の営む香霖堂には様々な売り物が集うが、中には値段のつけようがない品も多い。
それでも簡単に捨て置けないのは収集癖ゆえか、商売人の性なのかはわかりかねる。

いずれにせよ定期的にやらなくては彼の生活もままならぬが
いざ広げてみると数の多いこと多いこと。

「我ながら、よくぞここまで運んだものだ」

霖之助は盛大に溜息をつくと一つ一つ見聞していく。
特に多いのは雑誌のたぐいだが、大半は濡れたりしており読めたものではない。
放っておけば腐るなり虫が食うなりするので収集はしているものの、中々に売り難い。
書いてある内容も今ひとつ理解し難い。
技術書の類となれば、揃わねば単なる紙束だ。

「ああ、こいつは紙魚やら何やらで、もうダメだな……となると」

小瓶とピンセットを取り出した霖之助は、目当ての虫が居ないか探し始めた。
紙魚というと本そのものを食い荒らす虫である。
だが幻想郷において時々『紙魚』の変わり種がいる事を、霖之助は知っている。

ページを慎重に捲る霖之助は、ある部分から朽ちた色の白紙のページを見つけた。
目当ての『それ』を探して、慎重に次のページを捲る。
そこにはあらゆる文字や色を集積した奇っ怪な紙魚がいた。

「……まぁまぁの大きさだね。僕としては本に興味があるのだけど」

手早くつまんで瓶に放り込む。こうなると使いものにならない。
燃料として燃やしてしまうか、単なる古紙として売り払うかなのだが
紙の質がバラバラであるため売り払うのはいくらか面倒であった。
人里の方でどこまで需要があるのかも判別しかねる。
他の雑誌も同じよう判別し、他のガラクタの類はまとめておいた。
気がつけば瓶の中には同じような虫が4匹もいた。
それぞれが食った知識がうごめいているように見え、中々おぞましい。
これを千人の類やら、竹林の医者あたりが高値で買い取ってくれるのだ。


「あら、もう始めてたのね。おはよう霖之助さん」
「もう昼が近いのにそれはどうなんだい、霊夢」

声の方向を見上げると、巫女が飛んできた。
飛ぶ、という表現の割にはのんびりとしたペースなのだけれども。

「はいはい、こんにちは。準備はできてるし、いきなり転じたりしないわよ」
「そういってこの前、古道具が動き出した時は困ったよ。あれは玩具だったようだけど」
「うっ」

古道具を扱うと、曰くつきの品は必然的に多くなる。
道具の持つ歴史や記憶は、その道具自体に物語を生み出す力を与えてしまう。
付喪神。名前も持たぬ、小さな神々。
そうならぬように鎮めるのは、商売人ではなく巫女である博麗霊夢の役割であり
霖之助は、不定期にやるたびに彼女に出張願っているのであった。

「何にせよ、僕の仕事は終わったからあとは任せるよ」
「はいはい。」

瓶を道具入れにしまい、後は彼女の儀式を見守る。
対価は物納、というかお茶である。
贔屓の巫女がいるというのも何だか妙な話であるが、それもいいだろう。
どのみち客が来るまでは在庫整理にかかりきりである。

霖之助は手慣れたようにこなす彼女を見ながら、在庫整理で日が暮れる事を考える。
やはり茶菓子でも出して客を招く祈祷をしてもらうべきなのだろうか、という考えや
そうなると茶ではなくて昼餉も用意しておかなきゃならないのだろうか、などと
考えるのであった。

「(ああ、いざ手を付けてみても気が滅入るなぁ)」

本日の香霖堂:今日も、さほど珍しいこともなく暇であった。


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テーマ:自作小説(二次創作) - ジャンル:小説・文学

夏も近づく…


今年も梅雨の精を追い払ってもらい、その暫く後の話。

今日も今日とて、霖之助は無縁塚に通う日々であった。
本来ならば梅雨が明けるまで無闇に出歩きたくは無いが
こういった雨の続く日には、思いもよらぬ物が流れ着くことを、霖之助は知っていた。

「……あまり来たくは無いが」

小雨が降る中、濁った水流を横目に歩く。
いつも足を運んでいる場所は川になっていた。
少し背の高い草が川の中からわずかに見える事がその証明だ。

境界が曖昧になる。

霖之助は、それこそが、雨の日の無縁塚に外界の物の流れ着きやすくなる理屈だと考えている。
この世の果て。境目の向こう側には、想像も及ばぬ世界が広がっている事は間違いない。
時折流れ着く道具の1つ1つを見た霖之助は、それを確信していた。
以来、外の世界に魅せられてからというもの、無縁塚に度々訪れている。
雨にも負けず、風にも負けず。

そうして普段は歩かない場所を歩きながら、
霖之助は流れ着いている物と蜘蛛の巣を探した。
蜘蛛の巣がある辺りは安全な場所である。
少なくとも無縁塚のあたりは、そういう理屈である。
あまり川に近づくと、鉄砲水などで危ない。
しかし、安全な場所に座しているだけでは何も見つからない。

「何も持たずに帰るのは、さすがに勘弁願いたいが……」

とうとう地形に阻まれて進めない場所まで来てしまい、天を見上げた。
いつも何かが手に入るとは限らない。
頭ではわかっていても、いざ足を運べば何かが手に入るのではないかと
期待してしまう自分を否定する気にはならなかった。

何とか分け入って進んできた、道なき道を引き返す。
名残惜しいので無意識にちらりと振り返った視界に、透明な袋が見えた。
中には色とりどりの棒状の者が、ぎっしりと詰まっているようだ。

「しめた」

霖之助は濡れる事などおかまいなしに川に入ると、それを拾って持ち上げた。
袋はビニールで出来上がってはいたが、隙間から水が入って中身は濡れている。
本来よりも文字通りの水増しで重たくなっている物であったが
その重さに手ごたえを感じられることが嬉しかったのか、口元を歪めながら無縁塚を後にした。

霖之助が戻って最初にやったことは、着替えるよりも先に中身の検分であった。
大して価値の無い道具を適当に脇に避けると、1つ1つを丁寧に並べてゆく。
材質が紙であることは能力など使わずとも看破している。
ふやけた紙がやぶれないよう、丁寧に机や板の上に並べられていった。

「……花火か」

一度湿気っている花火は売り物にはなりにくいだろうと思いながらも
それなりに貴重な物である事は間違いない。
含まれている火薬なども、そう簡単に手に入るものではないし
良い広い物をしたと考えていた。


それから数日が過ぎた。
相変わらず雨の降る日は多かったが、晴れ間もあったので
拾ってきた花火はすっかりと乾いていた。

「なぁ香霖、そろそろやれそうか?」

数日の間に店を訪れた魔理沙が、いつ花火をするのかと急かしてくる。
雨の合間に来店した魔理沙は、ここ最近すっかりと花火にご執心だ。

「花火は逃げないよ。それに、花火をやるとは決まっていない」

花火をあれこれと手にとっては、どんな色の火が出るのか想像しているようで
緑の火がいいだの、白い火は珍しいだのと力説する日々であった。

「やらない?火をつけない花火なんて飛ばない鳥と一緒だぜ」
「世の中には、そういう鳥もいるらしい」
「……この大きさだと、どれ位の花火になるんだろうなぁ」

明らかに聞かなかったふりをしている魔理沙を見て、霖之助はため息をついた。

「……今夜は雨が振らないらしい」

連日、花火花火と言われてはたまったものではないとでも思ったのだろう。
根負けしたよ、と言って、霖之助は花火を承諾したのであった。

「ホントか!じゃあ今夜だな!絶対だぞ!」

ぱぁっと明るくなった魔理沙の喜ぶ様子を見て、霖之助は2つのことを思った。

1つはあそこまで嬉しそうにするなら、花火を花火として楽しむのも良いだろうという事。
もう1つは、花火が入っていた袋が薬屋に売れた事は黙っておいた方が良いと言う事だ。

お守り様は蛙様で...07
外の暑さと対照的に、中はひんやりとして涼しさを感じる事ができた。
もちろん実際には暑いのだろうが、外の温度を考えれば天国に思えた。

「思っていた源泉とはかけ離れた所になったな……」
もっと源泉って言うのは、静かで、自由でなくちゃならない。
そういう思い込みでいたものだから、出鼻をくじかれた気持ちになってしまう。

「そんな事いわれても困るよー。ほら、こっちがお風呂。帰りは自分で頑張ってね」
「ああ、ご案内どうも」

どうして地獄のド真ん中にこんな設備があるのかも謎だが、壁に書かれた文字も更に謎だ。
外から流れ着く書物で見かけた記憶のある文字だったが、なんと読めばいいのか判らず
さすがに閉口してしまった記憶がある。おそらく異国の文字だとは思うのだが。
чорно?ильと書いてあっても、何が何だかわかったものではない。

「まぁ、入るか……」
脱衣所まである源泉というのだから、いよいよ脱力もきわまって来た。
服を脱いで湯船に向かうと、なるほど、確かに風呂っぽい風呂であった。
骨折り損とはこの事だといわんばかりに投げやりに体を洗い、湯船に身を沈める。
「ブクブクブク...」
鼻まで湯船に使って意味もなく息を吐き出してみる。
目の前を、どうやって入ってきたのか、蛙が泳いでいった。

「で、源泉に来た感想はどう?」
「……ここは男湯じゃないのか?」
「源泉に男女の区別なし。そもそも蛙に何を言うのさ」

背後から声がする。それも、聞き覚えのある女性の声が。
振り向こうと思ったが、状況が状況だけに危険な気がしてならない。
もちろん、色々な意味で。

「覗き見とは趣味が悪いね」
「神のご加護と言って欲しいなぁ」
「押し売りされるのは好きじゃないんだ。そんな大層なものなら、尚更さ」

振り返れば、そもそも乗せられたような気がしないでもないが
ここまで歩いてくれば、ちょっとした小旅行だ。
帰りのことを考えるとうんざりするが、店の良さを再認識できただけよしとしよう。

「つれないのね。あーあ、せっかくツアーでも組もうと思ったのに。
 出入り口も、もっと楽にした方が良さそうね。実は此処、貴方が思う以上に帰りは楽なのよ」

何だって、と言って振り返りそうになるが寸前で止まる。
つまるところ僕はていの良いダシに使われたというわけだ。

僕は後ろにいる蛙が茹で上がることを願わずには居られない。
もっとも、本当にそうなられては帰り道が聞けないので困るのだが。

「ふぃー。お先に失礼するね。帰るときには一声かけてよ」
「蛙にかい?」
「……今のは笑うところ?」
「?何を言って……ああ、そういう」

どうやら僕は疲れているらしく、ぐだぐだとした会話になっている気がする。
というか眼の前がくらくらしてきた。ひょっとして湯当たりしているのだろうか。
もしそうだとすれば、いよいよ面倒だ。

「さっさとあがって帰る。できれば早々に横になりたいが、戻るにも時間がかかりそうだね」
「いや、すぐに戻れるさ。妖怪の山にある神社までなら近いもんだよ」

しまった、と声のするほうを向くと蛙が面白そうに笑っている――ような、声を出して鳴いていた。

「お、何か期待したのかね?」
「……いや何も。さっさと帰りたい気持ちで一杯でしてね」
「まぁそういわずに。お詫びと言っちゃ何だけど、上で茶でも出すさ」

陽気な蛙の鳴き声を聞きながら、これではどっちが客だかわからないと思った。


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お守り様は蛙様で...06
僕の話にうんざりしたのか、彼女――さとりと言ったか――は暫く黙ったままであった。
地下の中でもさらに地下に降りて、いよいよ目的を達成できると思ったのだが、
どうにも世の中、そう上手くはいかないらしい。間欠泉センターとやらはまだ先だそうだ。
かすかに鼻を突く腐卵臭が、ここが地獄であることを教えてくれる。
「お察しの通り、地獄ですよ。昔の、ですが……ここからは猫にご案内させますので。それでは」
地獄に猫?と周囲を見回してみると、なるほど1匹の黒猫が軽快な足取りで寄ってきた。
「どうもありがとう。よろしく、黒猫さん」
にゃーん、と答える黒猫。実に不吉だが、そんな猫も地獄らしいかと思い、
そのまま猫の進む先を追いかけてゆく。
こちらが人間であることを察してくれてか、道中で明らかに歩けない場所は無かった。
蜃気楼のようにゆらぐ建物が向こう側に見えてくる。距離は判らないが、見えるという事は間違いなく存在しているのだろう。

「ようやく見えてきたな。しかし、水がありそうな気配が無いんだが...」
暑いのではなく、熱い。先ほどから汗が滝のように流れ出て喉が渇く。
僕がこのまま温泉につかったところで、すぐにのぼせてしまう。
「じゃじゃーん。天井をご覧くださーい」
声が聞こえた。意識はまだハッキリしているので幻聴という事は無い。
気がつくと目の前の猫は三つ編みの少女になっていた。

化猫――そう断ずるのは短絡的過ぎると笑われるだろうか?
だが目の前で猫に化けられては、そう言うより適当な表現がない。

「……天井?」
そういえば地下だったな、と改めて思い出す。
何かがキラリと光るので目を凝らすと、天井に何かが流れている。
天の川ならぬ天井の川。時折地面に落ちてきている水もあるようだが
地面を潤している気配は無かった。

「どういう理屈かは知らないけど、あれが流れ落ちる一点があったのさ。
落ちた水が溜まった場所から、地熱で噴出して天井にぶつかって。
あとは行ったり来たりの繰り返しで、間欠泉になったんだよ」

他のところだと地面に落ちる前に蒸発するんだ、アハハ、と陽気に笑うが
こちらとしてはたまったものではない。
逆に言えば、あの間欠泉に行くまでに満足な水が得られないという事だ。
道理で館の主が「水を汲んでいくといいですよ。歩くとなると少し酷です」
と言っていたわけだ。

「ここいらの水は瘴気が混じってたり死体が浮かんでることが多いから
お兄さんにはダメなのかもねー。私も死体の方はダメだけど。
ああでもでも死体を運ぶのが生業だから匂いは平気かな。お兄さんの死体は何だか…」
そんなものか、と半分聞き流して水を飲む。ついでに蛙にも水をかけてやった。
喉が渇いていれば味なんて気にもならない。
蛙は死ぬかもしれないと思ったが、しぶとく生き残っていた。

「で、一風呂浴びたら死んでみない?」
「ああそうかい……はい?」
話を聞き流しすぎた事を僕は後悔していた。
この娘は何を言っているのだろうか。
「ダメ?」
見上げるような形でこちらを見つめてくるが、これでハイと答える人は
自殺願望で満ち溢れた者だろう。
「ダメだ。軽い気持ちで地下に来た事を既に後悔してるところでね。
意地でも源泉に浸かって帰りたいんだよ」
「ちぇ。はい、到着ー」

僕は目の前に現れた建物に心を奪われていた。
上では見た事もないような設備。どこか河童の好みそうな意匠が見て取れる。
だが他にも『外の品』に通じる部分がある。

「……珍しいものを見れるとはね。いくらか報われたよ」
「? 温泉に入る前に暑さでやられちゃった?」

僕は今どんな顔をしているように見えるのだろう。
「いや、大丈夫だよ。行こうか」
いずれにせよ、目的を果たすまであと少しだ。

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プロフィール

ぽんこつたぬき

Author:ぽんこつたぬき
春が来たら冬眠から覚める獣。
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