手書きのレポート8枚は洒落にならない
ね、眠い…
>霖之助wikiの管理人です、リンクを貼らせていただきました。
ありがとうございます。いち利用者として光栄です。
>慧霖続編、乙かれでっす。ほのぼののような、甘酸っぱいようなステキな空気が溢れてきてるぅ
信じられないでしょう?ツンデレを書いたつもりだったんですよ、これ…
>けーね先生かぁいい けど何でも頭突きで解決はやめましょう
頭突きを用いるケースは限られている、と慧音先生よりコメントを頂戴しております。
>ツンデレを所望したものですが望んだ以上におもしろいssでした
ホッとしました。
>ただ、生意気でスイマセンが二箇所程細かい所を、「〜甘味には滅多な事ではありつけない」
>「〜どこをどうとればそういう発想に〜」という文にした方が自然な言い回しかな?と思いました
おお、具体的なアドバイス痛み入ります。
そうですね、ちょっとくどかったり、おかしかったりしたかもしれません。
ちょっと修正しておきますね。
よし、寝よう…
>霖之助wikiの管理人です、リンクを貼らせていただきました。
ありがとうございます。いち利用者として光栄です。
>慧霖続編、乙かれでっす。ほのぼののような、甘酸っぱいようなステキな空気が溢れてきてるぅ
信じられないでしょう?ツンデレを書いたつもりだったんですよ、これ…
>けーね先生かぁいい けど何でも頭突きで解決はやめましょう
頭突きを用いるケースは限られている、と慧音先生よりコメントを頂戴しております。
>ツンデレを所望したものですが望んだ以上におもしろいssでした
ホッとしました。
>ただ、生意気でスイマセンが二箇所程細かい所を、「〜甘味には滅多な事ではありつけない」
>「〜どこをどうとればそういう発想に〜」という文にした方が自然な言い回しかな?と思いました
おお、具体的なアドバイス痛み入ります。
そうですね、ちょっとくどかったり、おかしかったりしたかもしれません。
ちょっと修正しておきますね。
よし、寝よう…
試しに書式を直してみる。見やすいのか読みにくいのか、判断に困ってしまいます。
なおタイトルからもお察しいただけますように、プレインスマイルの続きとなっております。
どこかで見た展開だと自分でも思いますが、中々ありがちな状況からは脱却できません。
……というわけで寛大な心で作品を読んでいただければ幸いです。
上白沢慧音の住まいは里の中では外側に位置している。これは差別というより、単純に土地が無いという理由によるものだろう。実際、彼女の寺子屋まで不便があるような距離ではなかったし、僕にとって街中にまでわざわざ出向かずに済むのはむしろ好都合であった。
「よく来たな」
「来いといったのは君だろうに」
よほど退屈していたのか、茶と饅頭を出してくる彼女はどこか機嫌がよさそうに思えた。普段は無断拝借されてばかりの茶を振舞われると、何だか不思議な気分になる。僕の中で、お茶というのは自分で飲むか飲まれるかのどちらかとなっていたのだ。
「べ、別にお前が来たからっていうわけじゃないからな。偶然だ、偶然!」
「いずれにせよありがたいことだ」
あの森の中では甘味は滅多にありつくことは、そうそうできない。もし手に入れたとしても絶妙なタイミングで博麗神社に奉納させられてしまうだろう。より具体的には、そこの巫女に食われるのだが。
「さて、一息ついたら手伝ってもらうぞ?霖之助」
にこりと笑う慧音の言葉には嫌な感じがしない。むしろ距離が近い印象すら受ける。本来の仕事を思い出した僕は、荷物を降ろして彼女の指示に従うことにした。
「それで僕に何をさせようって?」
「ん?先生だ」
「……慧音先生の手伝いをすることになった森近霖之助です。よろしくお願いします」
こんなに大勢の人間を前に何かを喋るというのは、どれくらい前の話だろう?そんなことを考えながら、僕は少年少女たちの衆目に晒されていた。
慧音の寺子屋には想像していたよりも多くの子供たちがいた。彼女の話によれば、最初は教育の必要性を感じない人ばかりで不評だったようである。しかし、次第に数が増えてきて、今ではそれなりの人数が集まるようになったらしい。
子供たちの反応は、見慣れぬものを見るときの警戒感からくるもので、僕の外見や素性に対して恐怖している、などというような類のものではなかった。慧音の生徒である彼らには、かつて里に蔓延していた畏怖心など初めから無いものになっているのだ。
「こちらの森近先生は、今日一日私の代わりに勉強を教えてくれるそうだ」
「もっとも、慧音先生とはやり方が違うかもしれないけどね」
子供たちはそれぞれ、互いに顔を見合わせたり小声で何かを囁きあっている。やはり見慣れぬ輩がいきなり湧いて出るというのは彼らの好奇心を大いにくすぐることだろう、と僕は思った。もし座ってるのが僕だったら、あれこれと質問したことで頭が一杯になるかもしれない。あるいは何か生意気な口でもきいているのかもしれない。
そして授業が始まった。
いくら優れた教本があろうと、それを活かせる教師の存在を無くして物事を覚えられる者は少ない。その例に漏れず、この子供たちは慧音という教師により僕が考えている以上に豊富な知識を持っていた。
借りてきた猫、とでも表現してあげるのがいいのだろうか?彼らの教わる態度というのは、少なくとも午前中に関して言えば、まったく問題はなさそうに思えた。
「手を焼くとは思えないが。もちろん、今の所……だが」
間に休憩を挟み、息抜きがてらに僕は慧音に率直な感想を語った。
「適度な緊張感があるのが功を奏しているのだろうけどね」
「それで十分だ。どうも時々私の説明は空回りするようでな……それに」
「それに?」
「お前、教師に向いてるんじゃないか?」
馬鹿をいうな、と笑い飛ばしておく。僕が求める知識と子供たちに必要な知識では方向性がまったく違うのだ。畑を耕すのに刀を使わないように、僕の知識では子供たちには何も与えることは出来ないだろう。
「もりちかせんせえ」
「そもそもだね……うん、なんだい?」
持論を展開しようとしたところで子供の1人に声をかけられた。前から二列目に座っていた男の子だ。
「せんせえとけーねせんせえはけっこんしてるの?」
「……いや、そんなことはないが」
僕は目の前の子供の、あまりに飛躍した自由すぎる発想に眩暈を覚える。結婚?どこをどうやればそういう発想に至るのか。そのことについて検討すべき余地がいくらか残されているように思えてならない。
「ほ、ほら、森近先生を困らせるんじゃない。もうすぐ授業が始まるから席につきなさい。座らないと頭突きだぞ」
「わーっ、ごめんなさいごめんなさい」
固まっている僕を見かねたのか、慧音が助け舟を出してくれた。なるほど、いつもこんな調子なのだろうとよくわかるやり取りだ。あまり見せたくなかった光景だからなのか、慧音の顔は恥かしそうで赤くなっていた。
「な、何をいってるんだろうな子供たちは。あは、あははは」
「さあ、ねえ…………その、授業、始めようか」
「……ああ。そうしてくれ」
その後の授業は子供たちが僕に慣れてしまったのか、関係ない質問攻めにあってしまう。あの閑古鳥の無く店がこれほど恋しくなるのは、自分でも驚きだ。
「勘弁してくれ」
僕はそう、子供たちに聞こえないように嘆いた。
なおタイトルからもお察しいただけますように、プレインスマイルの続きとなっております。
どこかで見た展開だと自分でも思いますが、中々ありがちな状況からは脱却できません。
……というわけで寛大な心で作品を読んでいただければ幸いです。
上白沢慧音の住まいは里の中では外側に位置している。これは差別というより、単純に土地が無いという理由によるものだろう。実際、彼女の寺子屋まで不便があるような距離ではなかったし、僕にとって街中にまでわざわざ出向かずに済むのはむしろ好都合であった。
「よく来たな」
「来いといったのは君だろうに」
よほど退屈していたのか、茶と饅頭を出してくる彼女はどこか機嫌がよさそうに思えた。普段は無断拝借されてばかりの茶を振舞われると、何だか不思議な気分になる。僕の中で、お茶というのは自分で飲むか飲まれるかのどちらかとなっていたのだ。
「べ、別にお前が来たからっていうわけじゃないからな。偶然だ、偶然!」
「いずれにせよありがたいことだ」
あの森の中では甘味は滅多にありつくことは、そうそうできない。もし手に入れたとしても絶妙なタイミングで博麗神社に奉納させられてしまうだろう。より具体的には、そこの巫女に食われるのだが。
「さて、一息ついたら手伝ってもらうぞ?霖之助」
にこりと笑う慧音の言葉には嫌な感じがしない。むしろ距離が近い印象すら受ける。本来の仕事を思い出した僕は、荷物を降ろして彼女の指示に従うことにした。
「それで僕に何をさせようって?」
「ん?先生だ」
「……慧音先生の手伝いをすることになった森近霖之助です。よろしくお願いします」
こんなに大勢の人間を前に何かを喋るというのは、どれくらい前の話だろう?そんなことを考えながら、僕は少年少女たちの衆目に晒されていた。
慧音の寺子屋には想像していたよりも多くの子供たちがいた。彼女の話によれば、最初は教育の必要性を感じない人ばかりで不評だったようである。しかし、次第に数が増えてきて、今ではそれなりの人数が集まるようになったらしい。
子供たちの反応は、見慣れぬものを見るときの警戒感からくるもので、僕の外見や素性に対して恐怖している、などというような類のものではなかった。慧音の生徒である彼らには、かつて里に蔓延していた畏怖心など初めから無いものになっているのだ。
「こちらの森近先生は、今日一日私の代わりに勉強を教えてくれるそうだ」
「もっとも、慧音先生とはやり方が違うかもしれないけどね」
子供たちはそれぞれ、互いに顔を見合わせたり小声で何かを囁きあっている。やはり見慣れぬ輩がいきなり湧いて出るというのは彼らの好奇心を大いにくすぐることだろう、と僕は思った。もし座ってるのが僕だったら、あれこれと質問したことで頭が一杯になるかもしれない。あるいは何か生意気な口でもきいているのかもしれない。
そして授業が始まった。
いくら優れた教本があろうと、それを活かせる教師の存在を無くして物事を覚えられる者は少ない。その例に漏れず、この子供たちは慧音という教師により僕が考えている以上に豊富な知識を持っていた。
借りてきた猫、とでも表現してあげるのがいいのだろうか?彼らの教わる態度というのは、少なくとも午前中に関して言えば、まったく問題はなさそうに思えた。
「手を焼くとは思えないが。もちろん、今の所……だが」
間に休憩を挟み、息抜きがてらに僕は慧音に率直な感想を語った。
「適度な緊張感があるのが功を奏しているのだろうけどね」
「それで十分だ。どうも時々私の説明は空回りするようでな……それに」
「それに?」
「お前、教師に向いてるんじゃないか?」
馬鹿をいうな、と笑い飛ばしておく。僕が求める知識と子供たちに必要な知識では方向性がまったく違うのだ。畑を耕すのに刀を使わないように、僕の知識では子供たちには何も与えることは出来ないだろう。
「もりちかせんせえ」
「そもそもだね……うん、なんだい?」
持論を展開しようとしたところで子供の1人に声をかけられた。前から二列目に座っていた男の子だ。
「せんせえとけーねせんせえはけっこんしてるの?」
「……いや、そんなことはないが」
僕は目の前の子供の、あまりに飛躍した自由すぎる発想に眩暈を覚える。結婚?どこをどうやればそういう発想に至るのか。そのことについて検討すべき余地がいくらか残されているように思えてならない。
「ほ、ほら、森近先生を困らせるんじゃない。もうすぐ授業が始まるから席につきなさい。座らないと頭突きだぞ」
「わーっ、ごめんなさいごめんなさい」
固まっている僕を見かねたのか、慧音が助け舟を出してくれた。なるほど、いつもこんな調子なのだろうとよくわかるやり取りだ。あまり見せたくなかった光景だからなのか、慧音の顔は恥かしそうで赤くなっていた。
「な、何をいってるんだろうな子供たちは。あは、あははは」
「さあ、ねえ…………その、授業、始めようか」
「……ああ。そうしてくれ」
その後の授業は子供たちが僕に慣れてしまったのか、関係ない質問攻めにあってしまう。あの閑古鳥の無く店がこれほど恋しくなるのは、自分でも驚きだ。
「勘弁してくれ」
僕はそう、子供たちに聞こえないように嘆いた。
交通費でまさかの死亡フラグ。
たぬきの身では流石に無理なので人間に化けて電車なる文明の利器の手を借りましたが。
そして、私はマイナーな香霖と誰かの話を書いていけたらいいな、と思ってます。
超ニッチな需要を僅かに満たすことが楽しい。
▼以下、拍手レス
>文に盗撮されて幻想郷中にばらまかれるんですね、わかります
その後に霖之助は残念なことになるんです。わかっていただけますね?
……この文、まさに外道。
たぬきの身では流石に無理なので人間に化けて電車なる文明の利器の手を借りましたが。
そして、私はマイナーな香霖と誰かの話を書いていけたらいいな、と思ってます。
超ニッチな需要を僅かに満たすことが楽しい。
▼以下、拍手レス
>文に盗撮されて幻想郷中にばらまかれるんですね、わかります
その後に霖之助は残念なことになるんです。わかっていただけますね?
……この文、まさに外道。
リクエストに答えるべくツンデレに挑戦してみた……のですが。です、が。
これでもいいのかなぁ、と悩んでしまうところです。題名は、プレインエイジアから。
お前は妖怪じゃない、と彼女は言う。
だが人間でもない、と言ったのは誰だったか、今はもう記憶の彼方だ。
それから何年か過ぎて、昔々というには少し短い程度の時間が流れ、
未だに僕は妖怪に混じることも人里に戻ることもせず、森の中に1人で住んでいる。
定期的に訪れてくれる固定客や、客まがいの何かには恵まれるようになったが
だからといって何か大きな変化があったかといえばそうでもない。
ここは雨が降ろうと槍が降ろうと、店主である僕の気分次第で営業する香霖堂。
今日は人里から彼女――上白沢慧音がやってくる日だ。
「まだ生きてるか?」
「ご親切に」
別段取り繕う必要も無いので、僕はいつもどおりに過ごして彼女を出迎えた。
里で寺子屋を開きながら人と共にあり続ける彼女は幸せなのだろうか?
短く返事をしながらそんな考えるが、ずっと僕はその問いを聞きそびれたままだ。
妖怪が表立って派手に人間を襲わなくなってから、里の人々も随分と寛容になった。
村を囲んでいた物々しい柵や堀なんかは今となっては見る影もない。
もちろん、人間以外が村八分や追放されるようなことなんかも、ない。
「村の方は、もう暫くしたら祭りだよ。子供たちの話題もそれで持ちきりだ」
「目に浮かぶよ。だけど別に子供に限った話じゃないだろ?」
人里の祭りは例大祭などといった神事と絡んだ要素は薄くなってしまっている。
もちろん元を辿れば儀式だが、時間がそれを形骸化させたのだ。
良いとも悪いともいえない。そういうものだ、と受け入れざるを得ないのだ。
「しかしマメだね。こうして僕の様子を見にくるというのも」
「私は里の守護者だからな。それに……」
「いや、よくやってるよ」
本心だった。
彼女は何かと理由を作っては、僕の店に足を運んであれこれと里の様子を話していく。
そこまでする必要性というのも今となっては喪失するくらいの時間は経過していた。
里の祭が形骸化するよりも、僕に対しての興味を喪失するほうがずっと早い。
昔から、彼女は生真面目で勉強熱心な方だった。
だが反面、詰めが甘く、どこかいい加減で自己完結しがちな面がある。
似たもの同士、というのはあまりに安直だが、僕はどこか共感を覚えていた。
一人で勝手に突っ走り、独りになってしまうあたりも含めて。
「そ、そうか」
「ああ。大したものだよ」
そこで互いに話が途切れた。当たり前だ。積もるほどの話も無い。
僕は立ち上がって、村の連中によろしく、とだけ言って掃除を始めた。
帰ってくれ。つまりは、そういうことを糖衣に包んだ表現で伝えたつもりだった。
だが彼女が帰る様子は無い。何か言うべき言葉を探しているのだろう。
やがて、彼女はこう言ってきた。
「なあ霖之助、寺子屋のことなんだが」
「……なんだい」
慧音は手を後ろで組んでいる。
昔からのクセで、彼女は緊張したりウソをつくと、いつもこうだ。
「その、少しで良いんだが……授業を、だな、手伝ってくれないか……?
きっと子供たちも、喜ぶだろうし」
「だが僕は……」
「なあ、いいだろう?べ、別に無理にって訳じゃないんだ。
ただ最近、子供たちのやる気が、だな」
僕はこの流れを何度か経験したので知っている。
ここで断った時の彼女は、最終的にキレるか泣くか、あるいはその両方かだ。
いずれにせよ御免こうむるので、僕はこう答えることにした。
「わかったよ……明日か明後日にでも行けばいいかい?」
クライシスを回避すると、彼女は笑顔になる。
まったく、こういうところは昔と変わらない。それに――
「ホントだぞ!絶対だからな!」
僕は、この笑顔には、あまり変わって欲しくない。
これでもいいのかなぁ、と悩んでしまうところです。題名は、プレインエイジアから。
お前は妖怪じゃない、と彼女は言う。
だが人間でもない、と言ったのは誰だったか、今はもう記憶の彼方だ。
それから何年か過ぎて、昔々というには少し短い程度の時間が流れ、
未だに僕は妖怪に混じることも人里に戻ることもせず、森の中に1人で住んでいる。
定期的に訪れてくれる固定客や、客まがいの何かには恵まれるようになったが
だからといって何か大きな変化があったかといえばそうでもない。
ここは雨が降ろうと槍が降ろうと、店主である僕の気分次第で営業する香霖堂。
今日は人里から彼女――上白沢慧音がやってくる日だ。
「まだ生きてるか?」
「ご親切に」
別段取り繕う必要も無いので、僕はいつもどおりに過ごして彼女を出迎えた。
里で寺子屋を開きながら人と共にあり続ける彼女は幸せなのだろうか?
短く返事をしながらそんな考えるが、ずっと僕はその問いを聞きそびれたままだ。
妖怪が表立って派手に人間を襲わなくなってから、里の人々も随分と寛容になった。
村を囲んでいた物々しい柵や堀なんかは今となっては見る影もない。
もちろん、人間以外が村八分や追放されるようなことなんかも、ない。
「村の方は、もう暫くしたら祭りだよ。子供たちの話題もそれで持ちきりだ」
「目に浮かぶよ。だけど別に子供に限った話じゃないだろ?」
人里の祭りは例大祭などといった神事と絡んだ要素は薄くなってしまっている。
もちろん元を辿れば儀式だが、時間がそれを形骸化させたのだ。
良いとも悪いともいえない。そういうものだ、と受け入れざるを得ないのだ。
「しかしマメだね。こうして僕の様子を見にくるというのも」
「私は里の守護者だからな。それに……」
「いや、よくやってるよ」
本心だった。
彼女は何かと理由を作っては、僕の店に足を運んであれこれと里の様子を話していく。
そこまでする必要性というのも今となっては喪失するくらいの時間は経過していた。
里の祭が形骸化するよりも、僕に対しての興味を喪失するほうがずっと早い。
昔から、彼女は生真面目で勉強熱心な方だった。
だが反面、詰めが甘く、どこかいい加減で自己完結しがちな面がある。
似たもの同士、というのはあまりに安直だが、僕はどこか共感を覚えていた。
一人で勝手に突っ走り、独りになってしまうあたりも含めて。
「そ、そうか」
「ああ。大したものだよ」
そこで互いに話が途切れた。当たり前だ。積もるほどの話も無い。
僕は立ち上がって、村の連中によろしく、とだけ言って掃除を始めた。
帰ってくれ。つまりは、そういうことを糖衣に包んだ表現で伝えたつもりだった。
だが彼女が帰る様子は無い。何か言うべき言葉を探しているのだろう。
やがて、彼女はこう言ってきた。
「なあ霖之助、寺子屋のことなんだが」
「……なんだい」
慧音は手を後ろで組んでいる。
昔からのクセで、彼女は緊張したりウソをつくと、いつもこうだ。
「その、少しで良いんだが……授業を、だな、手伝ってくれないか……?
きっと子供たちも、喜ぶだろうし」
「だが僕は……」
「なあ、いいだろう?べ、別に無理にって訳じゃないんだ。
ただ最近、子供たちのやる気が、だな」
僕はこの流れを何度か経験したので知っている。
ここで断った時の彼女は、最終的にキレるか泣くか、あるいはその両方かだ。
いずれにせよ御免こうむるので、僕はこう答えることにした。
「わかったよ……明日か明後日にでも行けばいいかい?」
クライシスを回避すると、彼女は笑顔になる。
まったく、こういうところは昔と変わらない。それに――
「ホントだぞ!絶対だからな!」
僕は、この笑顔には、あまり変わって欲しくない。




